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映画 クロコダイルの涙

'09,8,6深夜放送 関西テレビ

『クロコダイルの涙』The Wisdom of Crocodiles ('98)イギリス映画
オリジナル95分、放映時間114分、放映本編時間95分。
美青年医師スティーブン・グリルシュは、自分を愛してくれる女性の血を吸わないと
死んでしまう男だった。彼は女性を誘っては完全犯罪を重ねていく。新たな女性アン
に出会ったスティーヴンは、彼女を本気で愛してしまい、アンの血を吸いかねていた。
一方、警察ではスティーヴンの恋人が連続して不慮の死を遂げていたことから、彼に
疑いを持つ。しかし何も証拠は無く、捜査は行き詰まった。そのころスティーヴンの
身体には限界が迫っていた。早くアンの血を吸わなければ・・・・


まず、この映画が果たして吸血鬼映画なのか?という事なんですが。
作中では吸血鬼と言う言葉は一切出てこないし、吸血鬼ものの定番である、日中は行
動できない、鏡に映らない、十字架、ニンニクを恐れ、心臓を杭で貫かないと死なな
い、等々のお約束事もありません。ただ一つ、血を吸う、それも愛した女性の血のみ。
狭義でいえば、吸血鬼ものとはいえないかも知れません。

脚本家ポール・ホフマンも、インタビューで「最初のアイディアでは、グリルシュは
吸血鬼だった。・・・が、この“吸血鬼”を闇から出させたかった」と語っています。

しかしながら、吸血行為は性行為の暗喩であると、昔から心理学的アプローチで言わ
れています。主人公の吸血鬼を、真実の、永遠の愛を求める哀しき存在として描いた
作品も多々あります。本作の主人公グリルシュも愛を求めさすらう者。モンスターも
のの吸血鬼ではないけど、浪漫派ヴァンパイアとして、吸血鬼映画の一つに加えられ
る作品だと思っております。



<ーーーーー以後ネタバレ含みます。未見の方は注意!ーーーーー>
ホッチキスの針で指を傷つけてしまい、ちゃんと絆創膏を貼る吸血鬼も珍しいね(笑)。
モンスター的吸血鬼なら速攻で治してしまうでしょう。でも、他人を視線で制御しう
る能力(容疑者面通しの時に、マジックミラー越しに目撃者を操ったり、見えてない
はずの刑事の動きを目で追っている)や、他人の特技をすぐにコピー出来る(左右の
手で別々の記述が出来る、火の付いたタバコを指で消してしまう)能力、いざと言う
時の身体能力(ギャング集団をあっという間にやっつける)は常人ではない存在とし
て描かれています。

この「クロコダイルの涙」、私はけっこう気に入ってるんですが、世間の評価はあま
り芳しくありません。確かに欠点も多い。せっかく良い雰囲気で進んでいる話を最後
でぶっこわしてしまうし。あのラストは脚本が悪すぎます。何かいきなり「ブレード
ランナー」のようなアクションシーンを持ってくるのもダメでしょう。

共演の女優エリナ・レーヴェンソンも美しくないとかいう声多いし。私的にはかなり
好みなんですが、、、、まあ、ジュード・ロウがこの場合美しすぎるのです。英国系
美男子はヴァンパイアがよく似合う。実はエリナ・レーヴェンソンが吸血鬼に扮した
映画「NADJA」('94)(ナディアorナジャ?)という日本未公開、未ソフトの作品があり
ます。製作総指揮デヴィッド・リンチ。これもいつか観たい映画です。

ヒーリー警部のティモシー・スポールは「ハリー・ポッター」シリーズでピーター・
ペティグリュー役、「ラスト サムライ」でイギリス人写真家サイモン・グレアム役
に扮しています。ちょっと冴えない警部を好演していますが、本作品での警察の捜査
がぬるすぎるので、主人公を追いつめる側としては今イチ。むしろ、グリルシュと奇
妙な友情が芽生えたりしています。

主人公グリルシュは、血そのものよりも「愛情」という感情を求めていた。しかし、
彼に血を吸われた女性たちは直前までは彼を愛していても、吸われる時の感情は彼へ
の愛情ではなく、憎しみ、後悔、絶望へと変わってしまう。そしてその感情はトゲの
ような結晶となって彼を痛めつける。もし、血を吸われても彼を愛し続ける女性がい
て、愛情という感情を彼が取り入れることが出来たなら・・・
彼にはどのような結晶が出来たのでしょう?
ひょっとして、それで彼はもう血を必要としない身体になったかも知れません。

最後、彼は自ら血を吸うことを拒否し、死に至ります。やっと死ねる、と快感に浸り
ながら・・・

<ーーーーー以上ネタバレ終了。未見の方は注意!ーーーーー>



なお、タイトルのThe Wisdom of Crocodilesとは、哲学者フランシス・ベーコン
の随筆集からの“鰐の叡知(分別)”の引用で、ワニが獲物を食うときに罪悪感を拭お
うと涙を流してみせるような知恵・分別=自己愛を戒めるもの、だそうです。

最近の吸血鬼映画はアクション系ばかりが目立つので、こういう作品もあっていいの
では、と思っています。

なお、本作品放映枠の関西テレビ「シネマtrip」の来週放送の作品は「ブラッド」。
これも吸血鬼映画です。吸血鬼ものが好きな私としては大歓迎。
これはあの低視聴率ドラマ「恋して悪魔~ヴァンパイア☆ボーイ」のテコ入れ策でも
あるのでしょうか(笑)。
ちなみに私はあのドラマ、2話までは観ましたが以後は切り捨てました。ハイ。


The_Wisdom_of_Crocodiles01.jpg
●キャスト
ジュード・ロウ …スティーブン・グリルシュ
エリナ・レーヴェンソン …アン・レヴェルズ
ティモシー・スポール …ヒーリー警部
ジャック・デヴェンポート …ロッシュ刑事
ケリー・フォックス …マリア・ヴォーン
コリン・サーモン …マーティン
リック・ラモン …橋の料金所係員
アシュレイ・アルタス …ギャングリーダー

監督: レオン・ポーチ
製作: デヴィッド・ラッシェルズ
    キャロリン・チョア
脚本: ポール・ホフマン
撮影: オリヴァー・カーティス
音楽: ジョン・ラン
    オルランド・ガフ





テーマ:映画感想 - ジャンル:映画

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