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ドラマ なぞの転校生 最終話

2014,4,1放映 テレビ大阪

ドラマ24『なぞの転校生』12話(最終話) 感想

楽しめました。とてもいい出来のSFドラマだったと思います。
前期にあった某ロイドが残念すぎて、日本のSFドラマに期待は出来ないのか
と思いかけていましたが、いやいや。SFドラマの秀作がまた一つ、誕生です。


悲劇的な結末を迎えそうな展開でしたが、この最終話で大きく転換し、救い
のあるエンドとなりました。終盤での新たな訪問者。D15世界の次元調査団。
前回の予告で、「ラスト10分、物語は、誰も想像出来なかった結末へ…」と
書かれていましたが、ホント、これは予想出来なかった。

まさか、39年前のNHK少年ドラマシリーズとリンクさせるとは。
時を越え、放送局をも越えた続編(笑)。

本作にて、主人公・岩田広一のパパを演じていた高野浩幸。この方はNHK版
で主人公・広一を演じたその人です。そして、ここでD-15世界の次元調査
団として登場。名前は「岩田広一」。この物語世界、D-12世界の岩田広一
のアイデンティカ(違う次元に存在する同じ人間)。
そして、D-15広一には、かつて違う次元からやって来た友人がいた。高校
生当時に出会った、その友人の名は「山沢典夫」。

つまり、
D-12世界 この物語世界。ショパンがいない世界。
D-8世界 アスカや王妃、モノリオがいた世界。

に加え、この多元宇宙の一つには…
D-15世界 NHK版(原作版)「なぞの転校生」の世界
があった、と考えられるのですね。

公式サイトの用語集で、「D-15」の項目には「39年前の物語についてはSF
作家・眉村卓という作家が小説に残している。」と記載されていましたので、
間違いないでしょう。

このラストの展開、ユニークでした。

高野浩幸が広一パパを演じていたことには、単に旧作ファンへのサービスな
だけではなく、ストーリー的にも意味があった。
こういうカタチで、過去の作品を物語世界に取り込むのは、ウルトラマンの
シリーズでもあったっけ? 

勿論、旧作を知らない視聴者にも、知らないからといって影響はないですが、
知ってるとより楽しめるつくりになっていました。


また、この最終回では『なぞの転校生』なる自主製作映画をSF研究会の面々
が撮る、という映画内映画、ならぬドラマ内映画が出て来たのも、実に効果
的でした。

演技してる体で自らの思いを吐き出すアスカ。
抱きしめるしか出来ない広一。
そんな二人を見つめる典夫とみどり。そっと手を繋ぐ。
美しいシーンでした。
同録だろうに「アスカ先輩、すごい」と呟いちゃうSF研後輩の太田くみ監督
はアカンと思いますが(笑)。

そのシーンの直前、典夫とみどりが演出用の花びらを摘みながら語るシーン
は大林宣彦監督の『時をかける少女』('83、原田知世版)で芳山和子が深町君
と語るシーンを思い起こさせる切なさでした。

このシーンだけでなく、他にもこの最終回は『時かけ'83』を連想させる演出
がなされていました。
かつて大林映画にどっぷりハマった私。たまらなく懐かしく、ニヤついてし
まいます…。

ラスト、ゾーンが開き、次元調査団のメンバーや典夫が次元の向こう側に消
えていくシーン。チープなCGではありますが、『時かけ』での特殊効果に
そっくりなんですね。
そしてその後の、今までの出来事がコマ撮りで巻き戻されていくシーンも、
『時かけ』のコマ撮りを思い出させます。


そのラストですが、
典夫たちがD-15世界へ旅立った後、時間を遡っていくと判断出来る、あの
コマ撮り。そしてエンディングは第1話冒頭と同じ、あの流れ星。

と、いうことは、あの流れ星はD-15世界へと旅立つ典夫たち次元の旅人の
光跡だった…ということだったんですね。

広一たちの世界にやってくる際の光跡ではなく、去って行く時の光だった。
第1話での体育館の幽霊騒動も、最終回の典夫たちの移動中の残像のような
ものだった。

そう解釈出来ますが、そうなると気になるのが、時間を巻き戻された広一・
みどりにアスカ・典夫の記憶は無くなってしまったのか? ということ。

「私たちのことを、覚えていておいて欲しい」とアスカも言っていましたし、
二人のことを広一・みどりが覚えていないのは悲しすぎます。

時間を遡っていったのは典夫たち次元移動者たちだけで、広一たちは遡って
はいない。あくまでもあのエンディングは1話の冒頭そのもので、ループし
たわけではない。
そう思いたいですね。

演出サイドは、どう意図していたのかなあ。
5,14に発売されるDVD・BD box では、この最終話が再編集され、前・後編
として放送の倍近くの長さの、最終話完全版として収録されるそうです。
これを観たら、よりよく理解出来そうですが…。
くそー、これ観たいなあ。。。



脚本・映像がしっかりしていればこれだけの優れたドラマとなり得るわけで、
深夜枠で低予算にも関わらず、奮闘したスタッフ・キャストには大きな拍手
を送りたいです。特に、高解像度のカメラを使用して凡百のドラマとは一味
違う映像を創り出し、優れたSFジュブナイルドラマを生み出したことは個人
的にもとても嬉しい。ただ音声面では聞き取りにくいセリフが多く、残念で
あったことは付け加えておきたいです。

ショパンの「雨だれ」を中心とした音楽も作品世界にとてもマッチしていま
した。OP、ED曲も良かったですね。挿入曲のヘクとパスカル「風が吹いて
る」も絶妙なタイミングで流れ、感情を揺り動かす効果大。このヘクとパス
カルとは、岩井俊二(企画プロデュース・脚本)、桑原まこ(音楽)、椎名琴音の
3人。ボーカルの椎名琴音は劇中でSF研究会の後輩・太田くみを演じてた子。
女優、ミュージシャン、監督業と幅広く活動されているようです。



眉村卓をはじめとしたジュブナイルSFが、今後もこれぐらいのレベルでドラ
マ化されると嬉しいですね。ちょっと期待したくなりました。


【 ドラマ24『なぞの転校生』12話(最終回) 主なキャスト】

岩田 広一--- 中村蒼
 …東西山高校2年3組。SF研究会部長。
山沢 典夫--- 本郷奏多
 …転校生。広一の住むマンションの隣人・江原の孫として突然現れる。
  実はD-8世界の王妃たちに仕えるヒューマノイド。モノリオと呼ばれる。
香川 みどり--- 桜井美南
 …広一の幼馴染でクラスメイト。実家は生花店。
アスカ--- 杉咲花
 …D-8世界の姫。この世界(D-12世界・東西山高校)では九条アスカと名乗る。

▼東西山高校・生徒
鈴木 拓郎--- 戸塚純貴 …1年生。SF研究会部員。
太田 くみ--- 椎名琴音 …1年生。SF研究会部員。
大森 健次郎--- 宮里駿 …広一とみどりの同級生。野球部。顔長丸刈り。
春日 愛--- 宇野愛海 …広一とみどりの同級生。ダンス部。
小川 玲子--- 福地亜紗美…広一とみどりの同級生。
和田 えみか--- 岩崎優里菜 …広一とみどりの同級生。
戸塚 肇--- 川籠石駿平 …広一とみどりの同級生。
丸山 隼人--- 黒木辰哉 …広一とみどりの同級生。

▼東西山高校・教員
大谷先生--- 京野ことみ …2年3組担任。音楽教師。

▼D-15世界の次元調査団
岩田 広一--- 高野浩幸(二役) …次元調査団隊長。広一(D-12)のアイデンティカ。
みゆき--- 桜井美南(二役) …広一(D-15)の娘。
隊員A--- 葉山奨之(二役) …鎌仲才蔵のアイデンティカ。
隊員B--- 宮里駿(二役) …大森健次郎のアイデンティカ。
隊員C--- 宇野愛海(二役)…春日愛のアイデンティカ。

▼その他
江原 正三--- ミッキー・カーチス
 …岩田家の隣りの号室に住む老人。典夫にモノリスによって操られていた(マギ)。


▼過去話に登場した主なキャスト
鎌仲 才蔵(3年生)--- 葉山奨之
 …不良グループのリーダー。父は町を仕切るヤクザ。
冴木 小次郎(3年生)--- 碓井将大 …不良グループのナンバー2的存在。
咲和子(1年生)--- 樋井明日香 …冴木とつるんでいる不良グループの一員。

岩田 亨--- 高野浩幸 …広一の父・サイエンスライター
岩田 君子--- 濱田マリ …広一の母。
みどりの姉--- 市川沙谷香 
寺岡理事長--- 斉木しげる …高校の理事長。
坂井 銀次--- 金山一彦
 …第2話にて大森の草野球対戦相手。その後、一時期洗脳されて王妃たちの協力
  者となる(アステロイド)。

ハーデス--- 翁華栄 …D-8世界から王妃関係者を追ってきた暗殺者
園田 ツトム--- 真山明大 …D-8からDRSを典夫に届けに来た男

王妃--- りりィ …D-8世界の王妃。
アゼガミ--- 中野裕太 …D-8世界で王妃と姫・アスカを守る従者。
スズシロ--- 佐藤乃莉 …D-8世界で王妃と姫・アスカを守る従者。


【スタッフ】
原作--- 眉村卓『なぞの転校生』(講談社「青い鳥文庫」「講談社文庫」)
企画プロデュース・脚本--- 岩井俊二
音楽--- 桑原まこ
挿入曲--- ヘクとパスカル「風が吹いてる」
オープニング曲--- 桜井美南「今かわるとき」
エンディング曲--- 清水翔太「DREAM」
チーフプロデューサー--- 中川順平
プロデューサー--- 川村庄子、水野昌
監督--- 長澤雅彦
制作--- テレビ東京、Rockwell Eyes
製作著作--- 「なぞの転校生」製作委員会




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テーマ:ドラマ感想 - ジャンル:テレビ・ラジオ

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