TATEVISION

tateの観た映像、読んだ本、思った事、、、

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

映画『心の旅路』

'09,6,12深夜放映 毎日テレビ「映画へようこそ!」

RandomHarvest_poster.jpg  RandomHarvest_Garson_Greer.jpg


『心の旅路』Random Harvest (1942)
オリジナル126分、放映時間156分、放映本編時間126分。

途中までのあらすじ・・・
第一次世界大戦も終わり間近、イギリス中部地方にあるメルブリッジ軍人精神障害者
施設。戦争で心に傷を負った兵士が収容されている。ここに戦場でひん死の重傷を負
い、意識は戻ったものの記憶喪失になって仮の名をジョン・スミスと付けられた一人
の男がいた。

ある夜、スミスは散歩に出たまま施設を出て行く。折しも町では終戦を祝って大騒ぎ
である。あるタバコ屋に入った彼は、店主に施設を抜け出したと見抜かれ、通報され
るが丁度居合わせた親切な踊り子ポーラに助けられる。

彼女はこの男に同情し、スミシーと呼んで世話するようになった。施設の捜索を逃れ
るため、ポーラは一座を辞めてスミスと旅立つ。

デヴォンという田舎での暮らしでスミスは記憶は取り戻せないが健康は回復し、物書
きを志す。ある日、記事が採用され、わずかながらも原稿料を得たスミスはポーラに
求婚する。二人は家を構え、暮らす様になった。小さな家で、柵の門扉はきしみ、木
の枝が玄関の出入りに邪魔になる。しかし二人は幸せだった。

やがて二人の間に男の子が生まれた。スミスは赤ん坊に猫のぬいぐるみ、ポーラには
ポーラの瞳と同じ色の首飾りを送った。そこへスミスに電報が届く。リバプールの新
聞社から社員採用の通知だった。新しい人生の始まりに大喜びの二人。明日の晩には
帰る、とスミスは荷物をまとめ、リバプールへ向かう。

ホテルから新聞社へ歩いて向かっていたスミスは車と接触事故に遭い、意識を失った。

スミスは担ぎ込まれた薬局で意識を取り戻す。幸いコブが出来た程度だったが、記憶
は3年前の記憶喪失当時に戻っていたのだ。サリー郡ランダムホールの裕福な家庭の
次男チャールズ・レニアとして目覚めた彼は、この三年間の記憶を失っていた。自分
はフランス戦線の塹壕の中にいたはずが、なぜスーツを着てリバプールにいるのか、
なぜ三年も過ぎているのか、全く判らない彼はとにかく実家へ向かう。

夜中遅く、実家へ帰り着いたチャールズはその日、父の葬儀が行われていた事を知り、
うなだれる。翌日、遺言状の公開で親族一同が勢揃い。突然現れたチャールズに一同
は相続の取り分が減ると不満そうだが、まずは無事の帰還を歓迎する。なかでも姪の
キティは紳士的なチャールズ伯父さんにぞっこんだ。

遺産として屋敷、ランダムハウスを相続したチャールズはポケットの中にあったどこ
かの家の鍵と、なぜリバプールにいたのかを疑問に思いながらの生活が始まった…





映画史に残るメロドラマの名作。恋愛ドラマには男女間の障害となる要素が不可欠で
すが、今や使い古された感のある記憶喪失。この映画は「記憶喪失もの」の元祖とで
も言うべき作品です。

さすがに現代の映画やテレビドラマからすると若干テンポの遅さを感じるし、ご都合
主義な展開もありますが、それでも名作として語り継がれるだけあって、よく出来て
います。俳優達の演技は素晴らしく、映像は美しい。充分堪能できると思います。

監督はマーヴィン・ルロイ。やはりメロドラマの古典的名作「哀愁」('40)の監督でも
あります。他にも「犯罪王リコ」('30)「若草物語」('49)「ミスタア・ロバーツ」('55)
など多くの作品を残しています。様々なジャンルの作品を手がけた、作家というより
も職人監督で、40年間の長きに渡り現役第一線の監督・プロデューサーとして活躍し
ました。

1942年、第二次世界大戦の真っ只中にこんな作品が創られているのですから、米国
はすごいですね。余裕があります。

主演のチャールズ(スミス)はロナルド・コールマンRonald Colman(1891 - 1958)。
口ひげがトレードマークで、辞書に「コールマン髭」と載ってるぐらいにひげが魅力
的な俳優として親しまれました。出演作に「ボー・ジェスト」('26)「失はれた地平線」
('37)「二重生活」('47)「80日間世界一周」(1956)など。

ひたすら健気に夫が自分の元に還ってくるのを待ち続ける、強くて優しい妻ポーラを
演じているのは、グリア・ガースンGreer Garson(1904 - 1996)。個人的には彼女が
一番の主役に思えるほど、健気で愛おしい女性を好演しています。

ポーラの敵役になるわけですが、若々しくてとてもキュートな娘キティを演じている
のはスーザン・ピータースSusan Peters(1921 – 1952)。「群衆」('41)等で端役とし
て出演、本作でアカデミー助演女優賞候補になる好演で、将来を期待される女優でし
たが、'45年元旦に狩猟に行った際に猟銃が暴発する事故が起こり、弾丸は彼女の脊柱
を傷つけて下半身が麻痺、以後車椅子生活となってしまいます。それでも彼女は女優
業を続け、ラジオ界にも進出しますが、事故の後遺症による痛みは彼女を苦しませ、
急性鬱病、さらに腎臓病と肺炎から神経性食欲不振症となり、彼女は31歳の短い生涯
を終えました。

RH_Ronald_Colman003.jpgRH_Garson003.jpgRH_Susan_Peters003.jpg



さて、この映画、原題は「Random Harvest」といいますが、どう訳したらいいのか
よくわかりませんね。Random は、成り行きまかせの, とか、行き当たりばったりの,
無原則の、Harvestは収穫, 取り入れ, 採取、(行為・事柄の)結果, という意味です。
「とりとめのない収穫」「偶然任せの成果」というところでしょうか。いつかあの頃
の記憶を取り戻してくれることを待っているポーラの気持ちを差しているのか、それ
とも終盤で偶然記憶を取り戻していくスミスの事をさしているのか、どちらかだと思
います。邦題の「心の旅路」は名タイトルですね。昔の映画は優れた邦題がつけられ
ていて感心します。

製作年度は1942年、日本公開は1947年。それから何度も名画座やテレビ放映される
ことで日本にも多くのファンがいます。また、平成元年1月8日、昭和天皇崩御の翌
日、軒並み特別番組になっていた民放のなか、唯一通常番組を流していたNHK教育が
夜にこの作品を放映した(視聴率はやたらよかったらしい)ことや、阪神大震災後、
神戸ハーバーランドの映画館がこの作品を無料で上映し、多くの被災者が駆けつけた
ことがあったそうです。こういった観た時の状況などで、特別な印象を持つ方々も多
いのではないでしょうか。

1975年には同名タイトルでドラマ化されたそうで、佐久間良子・江守徹が主演、舞
台は1960年の秋田のお話になっているとのこと。また、宝塚でも舞台化されたそう
です。

この映画はPD(パブリックドメイン)として500円ぐらいの安いDVDが出ています。
未見の方もぜひご覧になってはいかがでしょうか。

◇キャスト
ロナルド・コールマン (Ronald Colman)…チャールズ・レニア(ジョン・スミス)
グリア・ガースン (Greer Garson)…ポーラ・リッジウェイ
フィリップ・ドーン (Philip Dorn)…医師ジョナサン・ベネット
スーザン・ピータース (Susan Peters)…キティ Kitty
ヘンリー・トラヴァース (Henry Travers)…医師シムズ Dr.Sims
レジナルド・オーウェン (Reginald Owen)…ビファー Biffer
ライス・ウィリアムズ (Rhys Williams)…サム Sam
メルヴィル・クーパー (Melville Cooper)…ジョージ George

監督 マーヴィン・ルロイ
製作 シドニー・フランクリン
原作 ジェームズ・ヒルトン「心の旅路」
脚本 クローディン・ウェスト
   ジョージ・フローシェル
   アーサー・ウィンペリス
音楽 ハーバート・ストサート
撮影 ジョセフ・ルッテンバーグ
1942年 米 MGM映画 白黒 日本語字幕…野本征史

テーマ:TVで見た映画 - ジャンル:映画

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://tatevision.blog34.fc2.com/tb.php/55-37519c9c
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

FC2Ad

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。