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特集ドラマ ラジオ

'12,3,26 放映 NHK総合

特集ドラマ 「ラジオ」 感想

優れた脚本、キャストの演技に拍手。

昨年、震災関連のドラマの記事にて、ドラマの題材には東日本大震災はまだ
デリケートすぎると書きました。今でもまだ、その思いはあります。

震災当時の映像を用いたノンフィクション、ドキュメンタリーが数多く作ら
れました。これらの凄まじい現実の記録が持つ力に、フィクションがかなう
はずもない。そう思っていました。

ですが、震災自体を描くのではなく、あれから2年経った今を当地にて生き
ている人々を描いた本作は、やはりドラマだからこそ描けるものもある、と
創作された映像と物語が持つ力を再認識させてくれた作品でした。


このドラマは宮城県女川町で、震災の一ヶ月後に始まった臨時放送局「女川
さいがいFM」に、アナウンサーとして参加した一人の女子高生の体験と、
彼女の発信したブログが原作となっています。

引きこもり状態だった「某ちゃん」。彼女の名前は最後まで語られない。
中学生の時、同級生がつけたあだ名。なぜ、某ちゃんなのかは分からない。
名付け親の少年は、あの日、津波に消えた。

そんな某ちゃんを心配した周囲の大人たちは、彼女をFM局に連れて行く。
そこでは同世代の若者たちが協力しあい、女川の人々に情報を、音楽を、言
葉を発信していた。

初めはマイクを前にしても口を開けなかった某ちゃんだが、やがて、FM放送
やブログで自らの思いを発するようになっていく……。


主演の刈谷友衣子は『鈴木先生』では隣のB組生徒・平良美祝役、先日NHK
にて放映されたドラマ『メイドインジャパン』では主演の唐沢寿明の娘役、
『まほろ駅前番外地』では殺人を犯した女子高生の友人役と、脇役ながら印
象に残る役を巧みに演じているなかなかの注目株。本作でも心に大きな傷を
抱え、それでも現実と向き合いながら前に進んでいこうとする女の子を見事
に演じています。
ラストの表情は秀逸。

脇を固める吉田栄作、豊原功補、西田尚美も上手い。リリー・フランキーは
もう役者を本業にしたら、と言いたくなるぐらい達者ですね。いい味出して
ます。

脚本の一色伸幸は、軽妙なライトコメディの作品が多い印象がありますが、
さすが、一流です。重たい内容になりそうな題材を、語り過ぎることなく普
通に日常を生きる人々を描いています。

ドキュメンタリー的なカメラワークが印象的でしたが、演出を担当した岸善
幸はドキュメンタリー出身だそうで、現地の空気感がよく出ていてリアルを
感じさせました。この人、2009年に放映された「ヒロシマ 少女たちの日記
帳」の脚本・演出を担当された方でもあり、「少女映画」を撮らせたら傑作
を撮ってくれるかも、と期待したくなります。


映画にしてもおかしくない出来でしたが、現地の事情を考えるとNHKの地
上波で放映されることがベストなのでしょう。
私がいくら想像力を働かせても、被災地の方々の心情を完全に理解すること
など出来ないとは思いますが、それでも、きっとこの作品は被災地の方々が
観ても、不愉快になることなく、違和感を感じることなく、被災地の人々を
納得させ、作ってくれて良かった…と思わせられる出来になっているのでは
ないか、勝手にそう思ってます。そう思わせるだけの力をもったドラマです。

「震災もの」としても、「青春もの」としても、極めて質の高い秀作。
また、再放送もぜひやって欲しいですね。




***劇中のラジオから流された曲
  負け犬 /THE STALIN
  Let’sRock(DANDAN)/ザ・ルースターズ  
  満月の夕(ゆうべ) /ソウル・フラワー・ユニオン
  応援歌 /THE イナズマ戦隊

NHKでスターリンが流れるなんて…(笑)。
「満月の夕(ゆうべ) 」は大好きな曲なので、嬉しかった。泣けた。



***某ちゃんのブログについて
 女川さいがいFMのサイトによると、現在は非公開になっているとのこと。
 ですが、劇中に登場したブログ記事、「本当に受け入れてほしかったモノは」
 は本人許可の上で、転載されているブログがあるそうです。
 
 本当に受け入れてほしかったモノは
 http://www.joqr.co.jp/hodo/2012/04/post-293.html


 リアル某ちゃん、文才あります…。是非、ご一読を。
 
 


【 特集ドラマ 「ラジオ」キャスト 】

某ちゃん(17)/刈谷友衣子
 …友人・両親からも”某”と呼ばれる。國枝に連れられFM放送に参加することに。
國枝重治(36)/吉田栄作
 …老舗かまぼこ店「海政」の次期社長。女川さいがいFMの立上げに関わった。
笹山ユキ(25)/安藤サクラ
 …女川さいがいFMの人気MC。見た目は派手だが面倒見のいいお姉さんキャラ。
宮城太郎(30)/新井浩文
 …女川さいがいFMのリーダー的存在。生真面目。
阿部健夫(17)/藤原薫
 …女川さいがいFMのいじられキャラ。
岡崎えみ(17)/夏居瑠奈
 …女川さいがいFMのスタッフ。家族を津波で失い、祖父と仮設住宅で暮らす。
山之里勝(37)/山本浩司
 …病院の警備員をしているヘビーリスナー。
海坂善行(40)/豊原功補
 …某ちゃんの父親。漁船は流された。
海坂寛子(41)/西田尚美
 …某ちゃんの母親。「海政」で働く。娘を心配し、後輩の國枝に相談した。
飛松(43)/リリー・フランキー
 …女川出身、震災にて東京に在住。薬剤師。ネットでFMを聞いている。


【スタッフ】
原作:某ちゃん。 
脚本:一色伸幸 
音楽:松本俊明
演出:岸善幸(テレビマンユニオン)



テーマ:ドラマ感想 - ジャンル:テレビ・ラジオ

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