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映画 ダイ・ハード

'13,2,6 放映 TBS系列 水曜プレミアシネマ

映画『ダイ・ハード(Die Hard)』(1988) 感想
オリジナル131分、放映時間114分、放映本編時間94分。(吹替え)

もう何度目でしょうね。繰り返し放映されている定番の作品です。一昨年に
テレ朝の日曜洋画劇場45周年記念で、シリーズ4作連続放送されたばかり。
今回は、シリーズ5作目となる新作『ダイ・ハード/ラスト・デイ』に合わ
せて1作目、パート3の2作が放映されます。

こう何度も放映されてますから、ブルース・ウィルスのジョン・マクレーン
刑事といえば野沢那智の吹替えが当然の印象。ですがDVDなどのソフトでは
マクレーンは樋浦勉ですし、フジテレビで放映された時には村野武範が吹替
えしてたこともあります。

両名も悪くはないですが、やはり野沢那智の熱演が強烈で似合い過ぎ。原語
より雰囲気出てるんじゃないでしょうか。年配の方なら、野沢那智といえば
アラン・ドロンでしょうが,私はやはりブルース・ウィルスを連想してしま
います。
もう故人となられましたので、新作の5作目では野沢那智マクレーンの声が
聞けません…。寂しいな。

ちなみに、『ダイ・ハード/ラスト・デイ』の劇場日本語版では、野沢那智が
主宰していた劇団出身の愛弟子である中村秀利がマクレーンの声を吹き替え
るとのこと。『エクスペンダブルズ』で既にブルース・ウィルスの声は担当
済み。
更には、新作ではマクレーンの息子ジャックが出演しますが、この声は野沢
那智の息子、野沢聡が担当するそうです。粋な計らいですが、プレッシャー
も相当なもんでしょうね。



さて、この『ダイ・ハード』、アクション映画の歴史を変えたと言ってもい
い見事な作品です。何といっても脚本がよく出来ている。

従来のアクション映画といえば、アクションシーンの出来が良ければストー
リーが少々強引で矛盾があっても、まあそれは目をつぶって……という甘さ
が通用していました。今でもそんな甘さ、ある意味差別のあるアクション映
画は存在しますが、もう評価としてはワンランク落ちてしまいます。
『ダイ・ハード』以降は従来のパターンが通用しなくなったのです。

舌を巻くほどの巧妙な伏線が張られ、行動の動機付け、展開の流れに無理が
無い。あえていうなら市警の副本部長やFBIがマヌケすぎることぐらいか(笑)。
テレビ放映でしか見たことの無い方は、是非ともノーカットでご覧になるこ
とをお勧めします。
本作の魅力である、脚本の妙とキャラクター造形の上手さは今回の様にかな
りカットされたものでは充分に伝わって来ませんから。

例えば今回の放映では、なぜマクレーンが裸足なのかが分かりません。本来
はタイトル前にロスに着いた飛行機内シーンがあり、そこでマクレーンは隣
席のサラリーマンから飛行機が怖いことを見抜かれ、「おまじない」として
「目的地についたら裸足になってじゅうたんの上を歩き、その後つま先を丸
めると良い。私は9年やってる」と教えられます。それを実行していたんで
すね。ですから「あのセールスマンめ」と自嘲気味に笑っているのです。

スーパーヒーローではなく飛行機を怖がる普通のオッサンで、「なんでこん
な目にあわなくちゃいけないんだ」とグチってる主人公であることが、ダイ
ハードの魅力の一つなんでしょう。


同じく今回の放映ではカットされたシーンですが、終盤、妻ホリーを人質に
とったハンスと向き合うマクレーンのところ。
ハンス「まだカウボーイのつもりか? 今度ばかりはグレース・ケリーと腕
   を組んで、夕陽の中を去るジョン・ウェインとはいかないぞ」
マクレーン「ゲイリー・クーパーだ、ばか」
というシーンが本来はあります。

これはゲイリー・クーパー、グレース・ケリー出演の西部劇の名作「真昼の
決闘 [High Noon]」(1952)のことです。この「真昼の決闘」でも終盤にゲイ
リー・クーパー扮する保安官が妻を人質に取られ、悪人と向き合うシーンが
あるのです。
また、ハンスはヨーロッパの男で西部劇をよく知らない、マクレーンは逆に
西部劇を愛する古臭いアメリカ人であることがわかります。(前半でもマク
レーンはロイ・ロジャースが好き、と言っています。'40〜'50年代に映画・
テレビ西部劇で活躍した人のこと)

更に付け加えるなら、ジョン・ウェインは「野郎ども、俺について来い!」
って感じの、典型的なタフでマチョなアメリカン・ヒーロー像を西部劇で演
じることが多い俳優でした。
それに対し、「真昼の決闘」のゲイリー・クーパーは全く違います。社会派
な異色西部劇である「真昼の決闘」では、主人公は復讐にやってくる悪漢た
ちに対し孤立無援で闘うことになる、保安官と言えど恐怖に怯え、悩む普通
の人間であり、無敵のヒーローではないのです。

ここに、マクレーンのキャラクターが重なるんですね。決して無敵の英雄で
はない。グチり、ボヤキながらも闘う。放っとけないから。

そういう細かい台詞にまで、作品世界を味わい深くさせる要素があふれてい
るのが本作のいいところ。だからカットして欲しくなかったなあ。時間が限
られているのは分かるけど。
あ、「イピカイエー!」も無かったな(笑)。


そんなマクレーンだけではなく、敵役たちもいい。キャラが立ってます。
リーダー役のアラン・リックマンは、これが映画デビュー作。それまでは舞
台中心の俳優でした。以後の活躍はご存知の通り。「ハリー・ポッター」の
シリーズでもいい味出しています。
ナンバー2のカール役はアレクサンダー・ゴドノフ。「刑事ジョン・ブック
目撃者」でのアーミッシュの青年役も記憶に残る演技でした。この方、実は
ボリショイ・バレエ団の舞踏手として一世を風靡したダンサー。アメリカへ
亡命して俳優になりましたが、'95年、早すぎる死でした。


シリーズも5作目が公開されます。当時33歳のブルースはまだ髪の毛もあり
ましたが、どんどん後退して今や堂々たるスキンヘッド。1作目では可愛ら
しい子供だった娘は『4.0』ではお年頃、今度の5作目では息子がすっかり青
年になって時の流れを感じます。

この『ダイ・ハード』もクラシック化していくのでしょうが、その評価と価
値は変わることはないでしょう。
『素晴らしき哉、人生!』と並んでクリスマス映画の定番、と言ってもいい
かもね(笑)。



【 映画 ダイハード 主なキャスト[声の出演] 】

ジョン・マクレーン:ブルース・ウィリス[野沢那智]
 …ニューヨーク市警察の刑事。
ハンス・グルーバー:アラン・リックマン[有川博]
 …強盗グループのリーダー。
カール:アレクサンダー・ゴドノフ[玄田哲章]
 …ハンスの腹心の部下。長髪。
ホリー・ジェネロ=マクレーン:ボニー・ベデリア[弥永和子]
 …ジョンと別居中の妻。ナカトミの営業部長で会社では旧姓を名乗る。
アル・パウエル巡査部長:レジナルド・ヴェルジョンソン[坂口芳貞]
 …マクレーンの無線を受け、ナカトミ・プラザを訪れた巨漢の黒人警官。
ドウェイン・T・ロビンソン:ポール・グリーソン[小林修]
 …ロサンゼルス市警副本部長。
リチャード・ソーンバーグ:ウィリアム・アザートン[安原義人]
 …TVレポーター。
ハリー・エリス:ハート・ボックナー[石丸博也]
 …ナカトミの国際開発部長。ホリーに気がある調子のいい男。
ジョゼフ(ジョー)・ヨシノブ・タカギ:ジェームズ・シゲタ[阪脩]
 …ナカトミ商事社長でナカトミグループ副会長。
アーガイル:デヴロー・ホワイト[江原正士]
 …リムジンの運転手。
テオ:クラレンス・ギルヤード・Jr[田中亮一]
 …強盗グループの一員。黒人。金庫室の電子ロックを解除する役割。
フリッツ:ハンス・バーリンガー[曾我部和恭]
 …強盗グループの一員。長髪。カール、フランコと行動を共にする。
フランコ:ブルーノ・ドヨン[荒川太郎]
 …強盗グループの一員。短髪巻き毛。カール、フリッツと行動を共にする。
トニー:アンドレアス・ウェスニエフスキー[牛山茂]
 …強盗グループの一員。カールの弟。金髪メガネ。
ユーリ:アル・レオン[広瀬正志]
 …強盗グループの一員。ヒゲのアジア系。チョコバーくすねる。
マルコ:ロレンゾ・カッチャランツァ[喜多川拓郎]
 …強盗グループの一員。「撃つ時はためらうな」


【スタッフ】

監督:ジョン・マクティアナン
脚色:ジェブ・スチュアート
   スティーブン E.デ・スーザ
原作:ロデリック・ソープ『ダイ・ハード(Nothing Lasts Forever)』
製作:ローレンス・ゴードン
   ジョエル・シルバー
製作総指揮:チャールズ・ゴードン 
撮影:ヤン・デ・ボン
編集:フランク・J・ユリオステ
   ジョン・F・リンク
音楽:マイケル・ケイメン
視覚効果製作:リチャード・エドランド
美術:ジョン・R・ジェンセン
配給:20世紀フォックス




テーマ:TVで見た映画 - ジャンル:映画

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