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佐野元春のザ・ソングライターズ シーズン4 Vol.1・Vol.2

'12/10/5,12 放映 Eテレ(NHK教育)

佐野元春のザ・ソングライターズ  ゲスト 中村一義(Vol.1・Vol.2)

「ホピュラー音楽のソングライターこそ、現代の詩人」
「ポップソングは時代の表現であり、時代を超えたポエトリー」

そんな佐野元春の言葉で始まる「ザ・ソングライターズ」。
待望の4thシーズンが放送開始です。

第1回目のゲストは中村一義。1997年、21歳でメジャーデビュー。2001年に
バンド「100s」(ヒャクシキ)を結成。今年、再びソロでの活動を始めた。


では、今回も抜粋ですが書き起こし。いつまで続くか。



リーディングは「素晴らしき世界」(3rdアルバム「ERA」より)。


幼い頃は、夢と現実の狭間で生きているような、今で言う不思議ちゃんだった。
小さい頃に両親が離婚し、祖父母に育てられる。そこが音楽漬けの家で、アルゼ
ンチンタンゴやベートーベンがいつも爆音で聞こえてくる日々だった。中村家は
叔父も含めて皆、音楽が好きで、部屋にはドラムスティックやギターがあり、そ
れを一人でいじくりだした。

ポップ音楽に目覚めたきっかけは、沢田研二。夢と現実を行き来している子供に
とっては、とても魅力的だった。
10歳ぐらいの時に、初めて曲を作った。1曲作るのに4年かかった。


思わず使ってしまう言葉があるか、と問われ、「疑問形」と答える。単語では?
と聞かれると、要所要所で「だろ?」を使ってしまう。でも、それで一つ、皆と
握手できてるのであれば、それがまた、次のステージに「だろ?」を高めてくれ
るような気がする、と答える。前の「だろ」と、時を経過して今、使った「だろ」
は違うと。

創作する時のことを少し掘り下げて聞きたいんですが、作詩をするやりかたは、
ソングライターさまざまだと思うのですが、ズバリ中村さんは、作詩をする時は
どういう風にして作るんですか?

 「強い言葉というのは、メロディと同時に落ちてくるんです」
メロディと同時に言葉が出てくる。それは何か強いインパクトを持った、例えば
「どう?」みたいな……

 「はい。一緒に出てくる…」
ですよね。
 「センテンスのほうになると、わりと書く直前までずっとイメージを溜めてお
  くんですよね、何ヶ月も何ヶ月も。で、とりあえず曲はそこそこ完成してい
  るかも分かんないけど、ま、ちょっと待っとけや、っていう……。で、待た
  せておいて、3ヶ月ぐらい練ったアイデアを、ある一日に一気に書く…」
ああ。
 「で、待っておいてもらった曲に再登場してもらって、そこで合わせて、もう
  ちょっとこうした方がいいかな? って感じで作り合わせていきますね」
つまりそれは、どんどん曲のフォーカスを合わせていってる作業なんですか?
 「そうですね」
つまり、フォーカスするということは、自分が本当に言いたいことを煎じ詰めて
いく、という作業なんですね?

 「(頷く)本当、煎じている作業ですね。最後に残ったこれぐらいのものが、凄
  い強さだったりっていう…」
面白いですね。

中村さんは、創作の環境はどのようなものなんですか?
 「街の中をブラブラして、本当はそこで見ながら書きたいんですけど、なかな
  かそこでやってるのも、怪しい人になってしまうんで(笑)。だから、そこを、
  どう……自分の頭の、脳みその中のシャッターを押して焼き付けるか、って
  いう作業に長けるようになってしまって。で、家に帰って、覚えてる写真、
  頭の中の写真のリズムをもう一回思い出して、言葉にしていくこととかが多
  いですね。言葉を書くのは家で。メモでも何でも家で、ということです」
なるほど。


バンドでやるときと、ソロでやるときと、ソングライティングに変化はあります
か?

 「ありますね。特に歌詞はありますね」
ああ。分かります。
 「と言うのは、やっぱり、僕らは6人で演奏していたんですが、6人分の共有
  しているものが皆に伝わらないと、聴く人達が分からなくなっちゃうんじゃ
  ないかって……プレイも散漫になるし、だから、割とフラッグ的な言葉選び
  にはなっていましたね。」

「Honeycom.ware」という曲について。
『爆音』『ジーザス』など濁音が多い。これは意識的にとのこと。言葉の意味よ
りも言葉の響きを優先した。一発一発刻んでいくような、五感に響いてくれたら
いいなという思いを込めた、と語る中村。
面白いですね。多くの人たちが、僕らソングライターに向かって「この曲の意味
は何ですか?」って聞く。実際に意味なんて考えて無い。そうして作られた曲も
ある。言葉の響きを優先して「その先に人々は何を感じるんだろう?何を共感出
来るんだろう?」そうした実験を密かにソングライターはやったりする……

 「やってますね」
 

定型質問。
好きな言葉。
 「これは…。これを言うと身も蓋もないかも知れないですけど、「好き」」
逆に、嫌いな言葉。
 「これも、身も蓋もないんですけど「嫌い」」
日常の生活で一番うれしいことは。
 「僕、一緒にフクロウと生活しているんです。家にフクロウがいるんですよ」
ちょっと待って。鳥のフクロウだよね?
 「鳥のフクロウが。これぐらい(手で表して)ちっちゃいコキンメフクロウって
  いうのと同居してまして。その子に、すごい「好き」っていうオーラを出さ
  れる時が、あの、凄い至福の時ですね」
フクロウから、愛のメッセージが……
 「来てると感じる瞬間が。グッドバイブレーションが来てる感じ(笑)」
分かりました。人から言われてカチンとくる言葉は。
 「らしくない、とか。なんかイヤですね。日々、その人は変わって行くはずな
  のに「らしい」とかで片付けるなよ、って思っちゃいますね」
死ぬ前に愛する人に残す伝言。
 「俺の骨は東京湾に撒いてくれ」
(笑)。俺の骨は東京湾にまいてくれ…
 「俺に墓はいらねえっていう…。ずっと言ってるんです、これ」
実際に言ってるんですか?
 「ずっともう、会う人会う人に言ってますね」
いろいろと正直に答えてくれて、どうも有り難う


「希望」という曲について。
この曲は佐野元春の「約束の橋」にインスパイアされた曲とのこと。
この「約束の橋」の作者としては、どんなところにインスパイアされたのか聞い
てみたい気がするんですが。

 「やっぱり、取りあえず走ってるという主人公…ですよね。橋も越え。「希望」
  を書いた時というのは、この先どこに行ったらいいのだろう、ってちょっと
  考えてたタームがあったんですよね。その時に、佐野さんの音楽と出会った
  日を強烈に思い出したことがあったんです。その時に、そういうことで音楽
  を始めたんじゃなかったのかと。すごく……頭をカチンとやられたような。
  「走らなきゃダメだよ」っていう風に言われたような気がして。
  まさにそうだ、僕と佐野さんは…「音楽の約束」じゃないか。なんか、思っ
  たんですよね」
僕らソングライターは、孤独な作業をしているんじゃないかと寂しくなる思いも
あるんですけど、こうして、中村さんの証言を聞いてみると、決して僕は一人で
はなく、長いソングライティングという作業を通じて、一つの流れの中に中村さ
んもいて自分もいるんだな、ということが認識出来て、とてもホッとする話です
ね。多分、中村さんが書かれた曲をまた、他のソングライターの誰かが聴いて、
またそれと同じモチーフで新しい表現が生まれているんじゃないかなと、思いま
すね。

 「若い子たちも、面白い子も一杯出て来ているんで、そういうことが続いてい
  けば面白いなと…」
そんな景色がずっと続いて欲しいなと、正直思いますね。
 「(大きく頷き)はい」



ワークショップ
学生たちに一行詞を書かせる。中村が提示したテーマは「約束」。この言葉を体
言止めにした一行を学生たちが書き上げる。その全てに目を通す佐野と中村。

ピックアップされたのは以下の8作品。ここに中村も言葉を加えて、歌の歌詞に
する。


「言葉にせずとも伝わる約束」
「どうすんだ 消えない空っぽの約束」
「忘れないように何度も繰り返した約束」
「僕がそこにいるための約束」
「雨の日の風の日の雪の日の約束」
「Love & Peace 世界の約束」
「国境を越えた 喧嘩のない約束」
「何度も交わしたのに叶わない約束」


皆さんが書いてくれたそれぞれのラインが、後に中村さんが歌うフックで、どの
ように意味が連なっていくのか、あるいは意味がどのように変容していくのか、
後でしっかり見ていきたいと思います。


学生たちに手拍子・足拍子でビートを刻んでもらい、そこに合わせて生ギターで
演奏、即興で作った歌を歌い出す中村。

歌われた歌詞は以下の通り。


言葉にせずとも伝わる約束
どうすんだ 消えない空っぽの約束
忘れないように何度も繰り返した約束
僕がそこにいるための約束
 なんか、スゲェ! みんな、スゲェんだ。
 「守る」方じゃない。「叶えたい」約束だろ? だろ?
 なんだ? スゲェ! なんてスゲェんだろう。
 今日という吉き日に出会えた約束。
雨の日の風の日の雪の日の約束
Love & Peace 世界の約束
国境を越えた 喧嘩のない約束
何度も交わしたのに叶わない約束
 なんか、スゲェ! みんな、スゲェんだ。
 「守る」方じゃない。「叶えたい」約束だろ? だろ?
 なんだ? スゲェ! なんてスゲェんだろう。
 今日という吉き日に出会えた約束。
 この唄は、きっと、ずーっと、約束。



 「下手くそでもいいんですよね」
もちろん。
 「楽しむということが、一番音楽に近付くことと思うんですよね」
そうだね。言葉というのは、僕は歌の中では理知を司っていると思う。僕たちの
感情や肉体は、やはりリズムが司って……

 「そうですね。そういう意味では今日、素晴らしかったです皆さん。本当に」
ポップソングやロックンロールソングというものは理知よりも、むしろ、少し感
情とか体の方が優先している、ということだね。
やっていて、やはり言葉がリズムにフックしてくると、気持ちいいという感想と、
それから、本来のその言葉が持っている意味が少し変わって聞こえる…、そんな
経験を今、僕はしています。


この実験について、聴講生の意見。
「普通、歌詞って一人で考えるものだと思うんですよ。でも、こうして、ここに
いる人たちが今すぐ考えて、それぞれ本当に全く違う「約束」を挙げて、それが
今、この場で一つになったっていうことに感動しました」

その通りだね。
 「うれしいよね」
優れたソングライターは一人の中で、そうした複合的な視点で一つの言葉にフォ
ーカスして曲を書いていく人もいるけれども、たとえばジョン・レノンやボブ・
ディランはそうですね。でもこうして、多くの人たちとコラボレーションして、
曲を作るという機会は実をいうと、僕たちそんなに……

 「ない……」
ないですよね。
 「孤独な作業なんで、いつも」
だから、おっしゃってくれた共同作業から生まれる創作物っていうのかな。これ
は何か特別なものではないかなと僕も思いますね。ありがとう。


 

学生からの質問
学生「ソングライターとして必要なものはなんだと思いますか?」
 「うーん……、一番必要なものは……しつこさは、結構必要ですね。ずっと、
  つきあわなきゃいけないんで。言葉や……うん。だから、忍耐は結構必要で
  すよね。全く何も浮かばない日は、本当浮かばないんで。でも、浮かばない
  のは何のせい、って考えてもおかしいし、「浮かばない日なんだ」って思う
  しかない(笑)。耐える、っていうのは結構な作業ですね」
学生「それは苦痛なんですか?」
 「そう、そこなんだよ。いい質問だね。そこを楽しめるっていうのが一番必要
  なのかもね。そこに対してすらもワクワクしちゃうみたいなのは、もの作り、
  ソングライターだけじゃないかもしれないね。必要なとこかも知れないです」
学生「ありがとうございました」


思考が止まった時に心がけていることは?との質問には。
 「信じているもの」を確認する。詰まっている時は「信じる」というピュアな
  ことから外れたことをやっていることが多い。例えば僕が信じている佐野さ
  んの音楽だったり、ビートルズの音楽だったりを確認しだす。
  あと、単純に違うことをする。洗濯するとか。 との回答。

中村の回答後、この質問に佐野がのっかる。
僕は創作に詰まると、ふだんしないことをしますね。
学生「たとえばどんな?」
パジャマ(のズボンを)をずらすとか。
 「あー!分かります分かります(笑)」
普段しないようなバカなことをして、少し頭柔らかくして、詰まった時はそれを
打開してる。正直に言うとね。

学生「ありがとうございました」
 





相変わらずの簡潔で的確な元春進行役でした。
気のせいか、少しだけ発言の量が増えたかな?

地デジの環境になって、書き起こしも少し楽になった。字幕が出せますから。
シーズン3まではアナログ環境でしたから、聞き取りにくかったら何度も何
度も聞き直して……(笑)。
でもでも、完走できないかも知れませんので、その際はご容赦を。


次回のゲストは、ACIDMANの大木伸夫。
さらには、星野源、山崎まさよしの名前がゲストの予定として挙がっています。
今シーズンも興味深いプログラムとなりそうです。



佐野元春のザ・ソングライターズ(第4シーズン) 
NHK・Eテレ 毎週金曜 23:00〜23:29(再放送は次週木曜 0:30〜0:59 )
============================================  
  
  
ソングライターズ シーズン3 Vol.11・Vol.12(ゲスト 七尾旅人) へ

ザ・ソングライターズ シーズン4 Vol.3・Vol.4(ゲスト 大木伸夫) へ →


テーマ:NHK - ジャンル:テレビ・ラジオ

コメント

いつもソングライターズの書き起こししていただいてありがとうございます!

見逃した時とか助かります!

  • 2012/11/10(土) 16:56:43 |
  • URL |
  • みゆ #-
  • [ 編集 ]

Re: タイトルなし

みゆ 様
こんばんは。コメントありがとうございます。

今シーズンの記事はアクセス少ないみたいですが、こうしてコメ頂けると嬉しいです。
いつまで続くかわかりませんが、よろしくご利用下さい。

  • 2012/11/12(月) 00:43:55 |
  • URL |
  • tate #-
  • [ 編集 ]

感謝!

絶対見ようと思っていた中村一義さんの回を、すっかり見逃して、ずっとモヤモヤした日々を送ってきました。
動画を検索しても全く出てこなくて諦めていましたが、
こちらのサイトで活字だけでも内容が伝わりました。
書き起こし大変な作業でしたね、本当にありがとうございました!

  • 2016/03/14(月) 22:52:11 |
  • URL |
  • 草 #pQpZY72.
  • [ 編集 ]

Re: 感謝!

草 様
はじめまして、コメントありがとうございます。
この『ソングライターズ』関連の記事は、今でもちょこちょこ訪問して来て下さる
方がいてます。記事を書いた甲斐があるというものです。できるだけ、雰囲気も
伝わるように……と思いながら書いた記憶があります。
中村一義さんの回、再放送があればいいですね!

  • 2016/03/15(火) 02:04:39 |
  • URL |
  • tate #7EGgl1.w
  • [ 編集 ]

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