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スペシャルドラマ 坂の上の雲 第11話

'11,12,11放送  NHK総合

「坂の上の雲」 第11話「二〇三高地」感想
いやあ、予想以上、期待にたがわぬ11話。堪能致しました。
激戦地二〇三高地を描くということで、当然ながら戦闘シーンがかなり多く
登場します。これが日本のテレビドラマでここまでやるか、というか、ここ
までやれるんだ、と感心する出来でした。完全に映画レベルです。予算も時
間もかけられた映像でした。

特筆すべきは白兵戦のエグさをちゃんと描いていたこと。銃剣で突き刺し、
ナイフで切り裂き、石で脳天を打ち砕き、素手で掴み掛かり、首を絞め、耳
に噛み付く。それは戦闘というより、殺し合いと言った方がいいのかも知れ
ません。お茶の間に流れるNHKテレビドラマで、ここまで冷徹に戦争暴力
を描き切ったことに拍手。
そして、やっと二〇三高地を奪取した兵士の喜び。感無量の乃木、児玉たち。
「そこから旅順港は見えるか?!」
煙が晴れ、眼下にサァーッと広がる光景。
「……見えます!丸見えでありますッ!」

ついに。ついに。
苦しみに苦しみ抜いた末に、結実したこの問いかけと美しい光景。
感動しました。

迫力ある映像でしたが、スローモーションの多用は意見が別れるところかも。
好意的に言えば、ペキンパー監督の「死のバレエ」と呼ばれる生々しいアク
ションとバイオレンスをスローモーションで様式美的に描く映像を思い起こ
させる、と評価することが出来るでしょう。音の使い方も上手かったと思い
ます。
ですが、個人的にはちょっと使いすぎたかな、と(笑)。

もう少し控えめに、ここぞ、というところに絞った方が良かったのでは。
フライドチキンも、「もう一本食べたいな」で止めといた方がいいでしょ?
そこでもう一本食べちゃうと、急速に満腹感を覚え、口の中が油っぽく思え
てくる。
うーん、あまり良い例えではないなあ(笑)。



さて、劇中で紹介された乃木大将が詠んだ漢詩「爾霊山」。

爾霊山嶮豈難攀
男子功名期克艱
鉄血覆山山形改
萬人斉仰爾霊山

爾霊山(にれいざん) 瞼(けん)なれども 豈(あに)攀(よ)じ難(がた)からんや
男子功名 艱(かん)に克(か)つを期す
鉄血山を覆うて 山形(さんけい)改まる
万人斉(ひと)しく仰ぐ 爾霊山


昔の人は教養がありますね。こういうのをスッと詠むんですから。

爾霊山(にれいざん)は、二〇三とかけているんですね。なんとなくは意味分
かるけど・・・と調べたら、この漢詩の意味を紹介しているサイトがありま
したのでご紹介。

爾霊山 - 関西吟詩文化協会 漢詩紹介
http://www.kangin.or.jp/what_kanshi/kanshi_A18_2.html



今回の主人公は、突撃していった名も無き兵士たちだ、と言えるかも知れま
せんが、個々のキャラとしてはやはり、児玉源太郎が目立っていました。

「死ぬときは今」と決死の覚悟で前線に向かう児玉。
古くからの友情に結ばれた乃木に対し、彼の誇りを傷付けぬよう、やさしく、
しかし率直に指揮権を譲るように伝える。そんな児玉に、乃木は自分の命は
西南戦争で連隊旗を西郷軍に奪われた時からお前に預けてある、と答える。
おだやかに進む会話ですが、この二人の男には熱く激しい思いが噴き出さん
ばかりに溢れていることを感じさせる素晴らしいシーンでした。

(ちなみに、連隊旗(軍旗)は天皇から直々に授与される唯一無二で神聖なる
ものであり、これを喪失することは大失態であります。太平洋戦争において、
輸送船に乗って移動時に船が敵潜水艦によって沈没、その際に軍旗が失われ
た部隊がありました。この部隊に軍旗は再交付されずに解体され、所属して
いた将兵は激戦地ばかり送り込まれ、殆どが戦死したそうです(篠山第170
連隊)。乃木大将も、後の殉死において西南戦争時に連隊旗を奪われたこと
を償うためであると、遺書に残しています。)


こうして、第3軍の指揮権を一時的に預かり、作戦会議に臨む児玉。

 諸君は昨日の専門家であるかもしれんが
 明日の専門家ではない。
 戦争が今 作戦の変更を命じておるんじゃ

このセリフが印象的でした。乃木大将、伊地知参謀長が必ずしも無能だった
訳ではなく、古い人間だった。古来からの野戦での指揮・戦略だったら充分
に活躍したかもしれません。しかし、「今」に対応出来なかった。

この児玉が第3軍の指揮権に介入するというエピソードは、記録や資料には
残されておらず、司馬遼太郎の創作である可能性が高いそうです。


次週はいよいよ日本陸軍VSロシア陸軍の一大決戦、奉天会戦です。これまで
出演シーンの少なかった兄・好古さん、出番です!



===坂の上の雲 第11話キャスト===

【秋山家】
秋山真之(さねゆき):本木雅弘
 …幼名は淳五郎。海軍にて連合艦隊参謀を務め、日本海海戦における作戦を
  立案、バルチック艦隊を壊滅させ、日露戦争を勝利に導いて行く。
秋山好古(よしふる):阿部寛
 …真之の兄。日露戦争時は陸軍少将、騎兵第1旅団長。「日本騎兵の父」。

【陸軍関係者】
児玉源太郎:高橋英樹
 …陸軍大将。陸軍大学校初代校長。日露戦争では、満州軍総司令部総参謀長。
大山 巌(おおやま いわお):米倉斉加年
 …西郷隆盛のいとこ。日清戦争では第二軍指令。日露戦争時は満州軍総司令官。
乃木希典(のぎ まれすけ):柄本明
 …日清戦争では第一旅団長。日露戦争では第三軍司令官として旅順要塞を攻略。
伊地知幸介(いぢち こうすけ):村田雄浩
 …陸軍中将。日露戦争では乃木大将の第三軍参謀長を務める。
松川敏胤(まつかわ としたね):鶴見辰吾
 …陸軍大佐。満州軍作戦参謀。
村上正路(むらかみ まさみち):勝野洋
 …第三軍第七師団歩兵第二十八連隊長。203高地の頂上奪取に一時的に成功する。
豊島陽蔵(てしま ようぞう):川野太郎
 …日露戦争で第3軍砲兵部長として旅順攻囲戦では第3軍の全砲兵を指揮。
井口省吾(いぐち しょうご):堤 大二郎
 …好古と陸軍大学校で同期。日露戦争時には陸軍少将、満州軍総司令部参謀。
明石元二郎 (あかし もとじろう):塚本晋也
 …ロシア公使館付陸軍武官。密かにロシア革命支援工作を行う。
友安治延(ともやす はるのぶ):深水三章
 …第三軍後備第一旅団長。乃木保典の上官。
乃木保典(のぎ やすすけ):橋爪遼
 …乃木希典の二男。日露戦争に出征、203高地の攻略にて戦死。
中村覚(なかむら さとる):塩野谷正幸
 …第三軍、第3回旅順総攻撃における“白襷隊”隊長。
大迫尚敏(おおさこ なおはる):品川徹
 …第三軍、旭川第七師団長。
大庭二郎(おおば じろう):千葉哲也
 …第三軍参謀副長。列車内の児玉に叱責される。
白井二郎(しらい じろう):谷川昭一朗
 …第三軍参謀(作戦主任)。
田中国重(たなか くにしげ):嵐芳三郎
 …満州軍総司令部参謀。
津野田是重(つのだ これしげ):永井浩介
 …第三軍参謀。大尉。
佐藤鋼次郎(さとう こうじろう):浜田学
 …第三軍砲兵中佐。
奈良武次(なら たけじ):佐久間哲
 …第三軍攻城砲兵司令部員
松村務本(まつむら かねもと):桐山浩一
 …第三軍第一師団長。
村上の副官:池田努
斎藤季治郎(さいとう すえじろう):村上新悟
 …友安治延の部下。
児玉(兒玉)久子(こだま ひさこ):守田菜生
 …児玉源太郎の姉。夫・兒玉次郎彦は幕末に佐幕派によって暗殺。
児玉源太郎(少年時代):黒濱優至
乃木希典(少年時代):番場翔
後藤秀四郎(さとう ひでしろう):田上晃吉
 …騎兵中尉。好古の部下。
小林環(こばやし たまき):片岡暁孝
 …騎兵少尉。好古の部下。
中屋新吉 (なかや しんきち):辻輝猛 
 …騎兵大尉。好古の副官。

【海軍関係者】
東郷平八郎(とうごう へいはちろう):渡哲也
 …元帥海軍大将。日清戦争では「浪速」艦長。日露戦争時は連合艦隊司令長官。
島村速雄(しまむら はやお):舘ひろし
 …参謀長として旅順港封鎖に参加。封鎖作戦後、第二艦隊第二戦隊司令官に転任。
岩村団次郎(いわむら だんじろう):山口馬木也
 …陸軍第三軍へ派遣された連絡将校。
伊地知彦次郎(いじち ひこじろう):ダンカン
 …日露戦争では、連合艦隊旗艦「三笠」艦長。
永田泰次郎(ながた やすじろう):頼三四郎
 …日露戦争中は東郷平八郎の幕僚副官となり参謀部につく。
飯田久恒(いいだ ひさつね):蟹江一平
 …日清戦争では少尉候補生として「愛宕」に乗艦。日露戦争時は第一艦隊参謀。
清河純一(きよかわ じゅんいち):小林高鹿
 …第一艦隊参謀。東郷の幕僚副官。

【ロシア】
コンドラチェンコ:リュボミラス・ラウチェービチュス
 …シベリア第7狙撃兵師団長。旅順要塞防衛の陣頭指揮にあたる。
トレチャコフ:サウリェス・バガリューナス
 …二〇三高地の防衛指揮官。

【その他】
玉木文之進(たまき ぶんのしん):江良潤
 …長州藩士。吉田松陰の叔父で松下村塾の創立者。少年時の乃木希典を教育。



=== スタッフ ===
原作/題字:司馬遼太郎(『坂の上の雲』より)
脚本:野沢尚、加藤拓、佐藤幹夫
脚本監修:池端俊策
脚本諮問委員:山折哲雄(国際日本文化研究センター所長)、
       鳥海靖(東京大名誉教授)、宮尾登美子(作家)、
       松原正毅(国立民族学博物館教授)、松本健一(評論家)、
       関川夏央(作家)、遠藤利男(元NHK放送総局長)
音楽:久石譲
メインテーマ:『StandAlone』 
   作曲:久石譲
   作詞:小山薫堂
   歌:麻衣(第3部)
語り:渡辺謙
エグゼクティブ・プロデューサー:西村与志木、菅康弘
制作統括:中村高志、藤澤浩一
演出:加藤拓(10,11話担当)
   柴田岳志(1、2、3、4話担当)
   一色隆司(5話担当)
   佐藤幹夫(6、7、8話担当)
   木村隆文(9話担当)
   
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テーマ:ドラマ感想 - ジャンル:テレビ・ラジオ

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