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特選映画:Vol.3 遠い空の向こうに

『遠い空の向こうに』"October Sky"('99)108分

OCT_SKY001_c1.jpg

とってもハートフルな映画。
夢見ることの素晴らしさ、そして、その夢を叶える為に努力することの尊さを、丁寧
で実直な演出で優しく描いています。
高校生ぐらいの方々には是非、観て欲しいなあ、と思います。勿論、大人にも。

舞台は1957年10月、ウエストヴァージニア州コールウッド。
この「時代」と「場所」をイメージ出来ると、登場人物達の心情がより理解できます。

1957年10月4日、ソ連は人類初の人工衛星、スプートニク号の打上げに成功します。
このニュースにアメリカ国民が味わった衝撃は、今の日本人には計り知れないものが
ありました。第二次世界大戦後、米ソの冷戦時代が始まり、それは宇宙開発競争でも
ありました。この競争は当時、ソ連の圧倒的リードだったのです。宇宙はソ連のもの
になってしまうのか、そうなれば絶えず上空に脅威が存在する日常。アメリカ国民は
恐怖したことでしょう。

そして、舞台となる町は、当時のアメリカのエネルギーと産業を支えて来た炭坑の町。
しかし、序々に縮小の動きが見え始めています。
コールウッドに生まれた男達はほぼ例外なく、炭坑夫になるのが当然の状況です。大
学に進学したくても、炭坑夫の家庭は豊かではないのでまず無理。ただ一つの方法は、
主人公の兄ジムの様にフットボールで認められて、奨学金をもらって大学に進学する
こと。スカウトされたら、将来に大きな希望が持てます。しかし主人公ホーマーは、
残念ながらフットボールの才能はありませんでした。

こうした周囲も、自分自身も何とも言えない不安を抱えた状況のなかで、ホーマーは
夜空に美しく輝くスプートニクの軌跡を見たときに、ある強い想いにとらわれます。

自分の手でロケットを打ち上げてみたい。

始めはいたずらに毛の生えたようなものだったのが、仲間を増やし、研究し、本格的
なロケット製作に取り掛かっていきます。

こうして、仲間との友情、理解者となる大人達との交流、そして、理解しようとしな
い父親との対立と和解が描かれていきます。

Oct_Sky02.jpg


本作品の原作となったのは、実際に科学エンジニアとして約20年間NASAに勤務した
ホーマー・ヒッカム・ジュニアの自伝的小説「ロケット・ボーイズ"Rocket Boys"」。
映画原題の"OCTOBER SKY"は主人公達の見上げた10月の空であると同時に、原作の
"Rocket Boys"のアナグラム(文字の順番を入れ替えて別の意味にさせる事)になって
います。

監督はジョー・ジョンストン。もともとはジョージ・ルーカス率いる特撮スタジオ、
ILMの特殊効果の出身です。『スター・ウォーズ』旧三部作、『レイダース』などの
視覚効果を担当しています。ヨーダやボバ・フェットのデザインを最終的に決定した
のは彼だそうです。その後、『ミクロキッズ』('89)で映画監督としてデビュー。その
他の監督作には『ロケッティア』『ジュラシック・パーク3』『オーシャン・オブ・
ファイヤー 』などがあります。最新作はベニチオ・デル・トロ主演『The Wolf Man』
('09)。家族を描くのが上手く、さらに「空を飛ぶ」こと、ものに対する強い想いがあ
るように感じます。
(因に、最新作『The Wolf Man』(ウルフマン)ですが、出演はベニチオ・デル・トロ、
アンソニー・ホプキンス、ヒューゴ・ウィービング。特殊メイクアップにリック・ベ
イカー、脚本家にアンドリュー・ケビン・ウォーカー(『セブン』『スリーピー・ホ
ロウ』)という、名前だけ聞いてもワクワクするような布陣で、期待出来そうです)

主演はジェイク・ギレンホール。父親は映画監督のスティーヴン・ギレンホール、母
はプロデューサー兼脚本家ナオミ・フォナー。姉も女優マギー・ギレンホールという、
まさに映画一家に生まれました。
デビューは『シティ・スリッカーズ』('91)で主役ビリー・クリスタルの息子役。他に
『ドニー・ダーコ』『ムーンライト・マイル』『ブロークバック・マウンテン』など
に出演、演技派若手トップ・スターの一人に挙げられます。

本作品で印象的なのは、物理の教師を演じるローラ・ダーン。ロケットボーイズ達を
励まし、参考書なども手に入れてくれて夢の実現の為に協力を惜しみません。

こういう人の存在が大切なんですよね。

夢を見ることは誰にでも出来ます。
見るだけでなく、大切なのは叶えようと努力すること。
しかし、少年時代の独力には限界があります。
そんな時に、サポートしてくれる、後押ししてくれる大人の存在。
「いいじゃないか」「やってみろよ」
そんな一言でも、当の少年にはとても大切なことだったりします。

劇中、ミス・ライリーの台詞。
「ホーマー、知ってる?
  時には他人の言う事を聞いてはいけないの・・・
  自分の内なる声を聞くの。
  あなたは炭坑マンじゃない、
  別の人生を設計してるはずよ・・・・・・」

ロケットボーイズ達にも、この物理の先生や、こっそりと金属加工を手伝ってくれる
鉱山の工作場のおじさんがいたりしたことで、夢の実現が叶いました。

そうして、ホーマー・ヒッカムはNASAの科学エンジニアとして勤務し、彼が退職する
直前の1997年11月、友人となっていた日本人宇宙飛行士の土井隆雄さんがスペース
シャトル「コロンビア」号に搭乗する際、ホーマーの優勝メダルと、"AUK"(彼らの
手作りロケットの名前。飛べなくなって絶滅した海燕の一種の意)のロケットノズル
部分を持って行きました。ロケットボーイズの宇宙への夢は40年後に叶い、15日半も
宇宙を実際に飛んだのです。
土井さん、ええ仕事したなあ・・・


なお、現在はロケット専門家による安全なロケットを青少年に提供しようということ
で、モデルロケットというキットが教材としてあるそうです。
実際にロケットを作り、空高く打ち上げてみたい!と思った人は下記にアクセスして
みると、いろいろわかると思います。
日本モデルロケット協会(NPO法人)
http://www.ja-r.net/


キャスト (DVDの日本語吹替)
ジェイク・ギレンホール/ホーマー・ヒッカム(三木眞一郎)
クリス・クーパー/ジョン・ヒッカム(菅生隆之)…ホーマーの父
ローラ・ダーン/ミス・ライリー(弥永和子)…物理の先生
クリス・オーウェン/クエンティン(真殿光昭)…数学オタクのロケットボーイズ
ウィリアム・リー・スコット/ロイ・リー(檀 臣幸)…ロケットボーイズ
チャド・リンドバーグ/オデル(鳥海勝美)…ロケットボーイズ
ナタリー・キャナディ/エルシー…ホーマーの母
スコット・マイルズ/ジム…ホーマーの兄
エリヤ・バスキン/バイコフスキー…溶接を教えてくれた鉱夫
ランディ・ストリプリング/ボールデン…金属加工を手伝ってくれた黒人鉱夫

スタッフ
監督 ジョー・ジョンストン
製作総指揮 ピーター・クレイマー
      マーク・スターンバーグ
製作 チャールズ・ゴードン
   ラリー・フランコ
脚本 ルイス・コリック
原作 ホーマー・ヒッカム・Jr
音楽 マーク・アイシャム
撮影 フレッド・マーフィ
編集 ロバート・ダルヴァ
遠い空の向こうに"October Sky"('99)ユニバーサル映画 日本公開2000年2月


Oct_Sky01.jpg
宇宙への想いとは裏腹に、炭坑地下深く下っていくホーマー。空にスプートニクの光
が・・・泣けるシーンです。。。

Oct_Sky03.jpg
最後のロケット打ち上げを見上げる母、兄や町の人々。少年映画のラストシーンには
空を見上げるショットが似合います。うつむいていてはいけないのです。少年たちは
明るく空を見上げていなくては!


Copyright(c)1999 UNIVERSAL Studios.

テーマ:映画感想 - ジャンル:映画

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