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佐野元春のザ・ソングライターズ 2ndシーズン Vol.5・Vol.6

'10/7/31,8/7 放映 NHK教育

佐野元春のザ・ソングライターズ  ゲスト鈴木慶一(Vol.5・Vol.6)

「ソングライター=現代の詩人」
「ポップソングは時代の表現であり、時代を超えたポエトリー」
「テーマは歌詞。音楽における言葉が一体どのように生み出され、多くの人に届い
ていくのか。学生達と探求していきます」

そんな佐野元春の言葉で始まる「ザ・ソングライターズ セカンドシーズン」。
三人目のゲストはムーンライダーズの鈴木慶一。大御所の登場です。
リスペクトする著名人も数多く、未だ現役。北野武監督の映画「座頭市」「アウト
レイジ」の音楽も担当しています。ムーンライダーズのベストアルバム「アンソロ
ジー 1976-1996」のジャケットイラストはエヴァの貞本義行が担当したことでも
当時話題になりました。来年でデビュー35周年になるそうです。

またまた抜粋で書き起こし。年配の方で恐縮ですがいつも通り敬称略で。




リーディングは「オー何テユー事ナンダロウ」。
今見て頂いて、何か感想は?
 「あの、歌として創っているんでね。リズムが無くて言葉だけ、全く違うものに
  聞こえるね。どこが違うって言うと言葉だけがドンドン来るね。やけに突き刺
  さってくるなあ」
  

初期のムーンライダーズの鈴木ライティングについて、簡単にいうと都会的で洒落
ていた、と佐野。それまでの歌謡曲やフォークに対するアンチテーゼだったのか、
と問う佐野に対し、湿気ですね。と答える鈴木。乾きたい、湿気を取り払いたい、
そんな思いで言葉を選び、音楽を作ったけれど聞いてる音楽は洋楽で、こういうも
のを作りたかったけど日本語では難しかった。と語る。
  

定型質問。
好きな言葉は
 「一生懸命」
嫌いな言葉
 「がんばる」
うんざりすること
 「ああー、自分って円熟しちゃったのかな、と思う時」
一番嬉しいこと
 「朝起きて、自作の鼻歌が出ること」
好きな映画
 「映画好きにとっては非常に苦しい質問です…「イージーライダー」かな」
 「あれは確実に、私に時計を捨てさせた映画なんで。予備校に通っていたんだけ
  れど、これは時計を捨ててじっくり音楽に手をつけようと。そう思った」
他になりたかった職業
 「私立探偵」
合ってますね(笑)。絶対にやりたくない職業
 「これはね、やりたくてしょうがなくて、やりたくないという意味で、映画監督」
 「ショートムービー創りましたけど、これ寝れないんだね。作業して寝れないん
  じゃ無くて、気になって寝れないんだ。」
音楽制作よりも?
 「うん。突然目が覚めちゃうんです。突然目が覚めてメモしたり…」
人から言われてカチンとくる言葉は
 「あなたの音楽は昔よく聞いてました」
過去形のやつで?
 「うん(笑)。今も聞いて下さい、と心の中で思いながら「有り難う」と」
わかります。女性から言われて嬉しい言葉
 「しっかりね」
死ぬ前に愛する人に残す伝言
 「難しいな。人間は死者と共に生きると思っているんだよ。死んだ方と、いろん
  な意味でね。思い出とか。でも、あなたの場合はそこから解放されて、自由に
  なって下さい。アディオス!…ってね」
素晴らしい。正直に答えて下さって、どうも有り難うございます。


話題は映画音楽について。
既にある映像に対して音楽を作る時、ご自身が一番気をつけるところは何ですか?
 「最近やっている映画の音楽で一番考えることは、音響効果さんに近いんですね。
  例えば「ゲゲゲの女房」という映画の音楽をやったんですが、奥さん、女房が
  マンガのベタ塗りをしているんだね。シャッシャッシャッシャ、っていってる
  んだけど、こっち、画面の外から聞こえてくるんだよ」
ちょっと不自然?
 「うん。っていうことは何かっていうと水木しげるさんの描いている気配を…」
ああーっ(得心して、大きくうなずく)…
 「持ち込むわけだ。普通、映っている画面はマンガの絵で、奥さんが描いてる。
  この音が鳴ればいいんだけど、こっち(画面の外)から聞こえる。っていう気配。
  そういう音楽を創ろうと思ってますね」
なるほど。
 「気配のようなもの。だから、ひょっとして音楽無かったんじゃない?と言われ
  るかも知れないな。それが私にとって重要かも知れない」
面白いですね。


アルバム「カメラ=万年筆」では曲のタイトルが全て映画のタイトルだった。
映画を観るのが子供の頃から好きだった、と語る鈴木。
鈴木作品の視覚的なリリックは、映画を観るのが好きだ、というのと関係があるの
では、という佐野の問いに同意する鈴木。


鈴木ソングライティングの中身についてですが、どうしても使いがちな言葉って、
ありますか?

 「夢、だね。夢は多いと思う」
ライティングしてて、夢、って出て来て「おっと、これは避けた方がいい」なんて
いうことは・・・

 「あの、夢にも沢山あるので。昨晩見た夢とかの言い回しは使う。自分にとって
  の夢、みたいなものは使わない。歌詞を創っている上で非常に自分の中で吹き
  出してくる、何でこんなもの出て来ちゃったんだろうというものもある。それ
  を深層心理、簡単にいうと妄想なんだけど、いろんなことを考えたりする。将
  来はどうなんだ、今はどうなんだ。そこに何か、外を通る子供の声が聞こえた
  りする。それを全部取り込んでいくと…深層心理のようなものが浮かび上がっ
  てくる可能性はあるね」
個人のパーソナリティというものはやっぱり歌詞に反映するものなんですか?
 「そりゃ出るでしょう。100%出さない、っていうことが行えるかどうか。それ
  は難しいと思うよ。何かを創り出す、ということは自分のパーソナリティのあ
  部分を削り取って出してる」
その通りです。
 「と思います。そのパーセンテージは分からない。私の作った曲も、えーと例え
  ば「スカンピン」はかなりのパーセンテージを削り出していると思う。当時の
  貧乏さを。きっかけはね、実際の事件かも知れない。それを膨らましていって
  作品にするというのは脳内の妄想力、だと思うんだ」



ワークショップ。
鈴木慶一が監督した映像作品の中の「東京5001」というアニメ部分を観てインス
パイアされた四行詩を書く。"5001年には" "2010年には" "遥か昔には" これらの
キーワードを詩を書く上でヒントにしてもらう。

学生の詩を三つ紹介。三つ目の学生の詩をもとに、鈴木が即興で演奏して、そこに
詩を載せていく。



学生からの質問。
学生「ムーンライダーズが出て来た頃からコンピュータはどんどん発達して来たと
思うんですが、そういったものとソングライティングはどう関係があるかに興味が
あるのですが」
 「テクノロジーと音楽の関係ね。非常に私たちの場合は近い関係がある。80年ぐ
  らいからコンピュータで音楽を作った訳だけど、プログラマーという人がいた
  んだね。で、その人に口伝えしなきゃいけない。それが取っ払われて自分でや
  るようになる。そうすると、ピーター・ガブリエルが言ってるけれども、感覚
  で弾く、それをコンピュータで再現する。それを冷静に整える。ということが
  一個人で出来ちゃうのね。だから、鍵盤で何か弾くよね。リズムも悪かったり
  するだろうし、ミストーンもあるだろう。けれどしばらくして考えながら、こ
  こは間違ってるけど面白いな、っていう判断が一歩後で出来る。やってる時に
  は分からないからね。そこがテクノロジーの素晴らしいところ。
  発想を思いっきりひっくり返してくれるようなことが出て来ちゃうんで、それ
  は触らないとつまんないかな、と思ってしまうね」
そういえばムーンライダーズは70年代後半、80年代にかけて急速にテクノミュー
ジック化する場面がありますよね。あの時に、バンドメンバー間ではどのような 
ディスカッションがあったのですか?

 「いい質問だね」
ありがとうございます(笑)
 「あの時はね、全員一致してなだれ込んだ訳では無いんだよね。ないんだけど、
  面白えなあ、と思った人が、まあ我々民主的なバンドなんで、過半数を占めた
  んだな。そんな中で、私も実はテクノ、パンク、ニューウェーブみたいな音楽
  に飛び込むのが遅れたんですよ。セックス・ピストルズの様子をみる、なんて
  ことになった。で、段々いいなと思うようになって、ちょっと遅れたんだけど。
  ある時、二人が髪の毛ショートカットにして、スキンヘッドにして(笑)。格好
  を変えることによって、何か創るものも変わる。それは服かもしれないし、髪
  型かもしれないし。これは…我々がシンプルな人間なのかも知れないけれど、
  あ、私はこうなったんだ、っていう納得がいってだね。そういう方法もある、
  と思うんですよ、壁にぶち当たった時とかね」
わかります。クリエイティブなプレイヤーはかならず行き詰まりますよね。運命的
と言っていいと思うんですけど。その時にどう打開するかは本当にソングライター
の方、それぞれご自身のやり方があって面白いですね、聞いてみると。



学生「映画音楽を作るときにはバンドでの時と作り方が変わったりするのですか?」
 「まず制限がある。映画音楽には。その方が、自由が無いんで作り易いんです。
  何かテーマがある、こうして下さい、間口がどんどん狭くなっちゃった方が作
  り易いです」
そうなんですか?
 「今度のこの映画音楽ですけど、楽器は全部バイオリンでして下さい、と言われ
  た方がなんと作り易いことか。そういうイメージがはっきりあればね。何も無
  い、自由にどうぞ、って言うのは…それってソロアルバム作るのと同じですか
  らね」
確かに。
 「はい。制約やら、やりにくさやらは楽しみ。そう思いますねいつも。それって
  マゾヒスティックだけど、そうすることによって面白いものがぶつかり合って
  生まれるんだよね。全然イヤなことじゃない」
(学生を見つめ)僕は制約は大嫌い。
 「(笑)」
締め切りとかね。人それぞれ(笑)。
 「そうそう」


我々にとって創作というのは一つの欲望にも近いものだと思いませんか?つまり、
何故、詩を書くのか。何故、歌を書くのか。と言った理屈よりも欲望が先行する。

 「コクトーが言った「美よりも早く走る」というのがある。すごい好きなんだけ
  ど、美よりも早く走るということは自分が作ったものより早く走るってこと。
  作ったらもう、先に走る。これはとても好きな言葉だね」
どうもありがとうございました。



次回ゲストは岸田繁(くるり)、5人目はRHYMESTERです。

「佐野元春のザ・ソングライターズ 2ndシーズン」全12回予定
NHK教育 毎週土曜 夜11:45-0:15 (再放送は次週の土曜 昼10:30-11:00)



←Vol.3・Vol.4 ゲスト:後藤正文 へVol.7・Vol.8 ゲスト:岸田繁 へ→




テーマ:NHK教育 - ジャンル:テレビ・ラジオ

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