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佐野元春のザ・ソングライターズ セカンドシーズン Vol.3・Vol.4

'10/7/17,24 放映 NHK教育

佐野元春のザ・ソングライターズ  ゲスト後藤正文(Vol.3・Vol.4)

「ソングライター=現代の詩人」
「ポップソングは時代の表現であり、時代を超えたポエトリー」
「テーマは歌詞。音楽における言葉が一体どのように生み出され、多くの人に届い
ていくのか。学生達と探求していきます」

そんな佐野元春の言葉で始まる「ザ・ソングライターズ」。放送文化に貢献した優
秀な番組に贈られるギャラクシー賞の2009年7月月間賞、年間での奨励賞を獲得し
た昨年に引き続いてセカンドシーズンが始まっています。

二人目のゲストはASIAN KUNG-FU GENERATION(以下AKG)の後藤正文。
残念ながら全く聴いたことのないアーティストですが・・・アジカンかぁ。今度、
彼らの音楽を聴いてみないと・・・
ロックミュージシャンというより、文学青年かスイッチが入っていない状態の舞台
俳優、という様な物静かな印象の方でした。
では、またまた抜粋で書き起こしです。


今年佐野と後藤は雑誌の対談で初めて出会った(「音楽と人」2010年7月号)。

リーディングは「新しい世界」。
言葉だけ抽出して他人に読まれるのは、どんな感じだった?
 「率直にカッコいいと思いました。詩が、っていうより佐野さん独特のスタイル
  というか、歌ってるのと変わらない佐野さん独特のエネルギーが言葉に宿って
  最後、世界、と三回言われた時にちょっとゾクッときました」
  

「さよならロスト・ジェネレーション」という曲について。後藤はロスト・ジェネ
レーションの世代だが、そう言われることに抵抗があるという。名前の付け方に対
する無責任さ。上の世代がそう呼ぶが、この状況を用意したのは貴方たちだ、とい
う口惜しさとか、怒りに近い感情。

「繋ぐ」「繋げる」という言葉が後藤のソングライターとしての本質ではないか、
という佐野。なるべく使わないようにはしてますけど使ってますね、と後藤。
インターネットの爆発的な普及、ポケベルからケータイへ、と他人との距離感を見
誤っているような危機感。他の言葉で言い表せるなら書き直したいとも思っている。

普段使っている、詩のノートを持参して来た後藤。
佐野は詩を普段から縦書きで書いてあることに注目する。
レコーディングの時にも驚かれる、とのこと。本をよく読んでいて、縦書きで読む
ことに慣れてしまった。ホームページの日記も出来たら縦書きにしたい。日本語は
縦で書くように作られているように思う、と語る。


定型質問。
好きな言葉
 「継続は力なり」
嫌いな言葉
 「死ね。自分でもたまに使ってしまうときがあって、その日は一日立ち直れない」
うれしいこと
 「誰かに好きだと言われたとき」
好きな映画
 「メゾンドヒミコ。交われなさというものが美しく描かれて、感銘受けました」
他になりたかった職業
 「学校の先生」
絶対にやりたくない職業
 「ペテン師か詐欺師。それに近い職業かもしれないけれど(笑)。悪意があるか
  ないかは大きいと思います」
人から言われてカチンとくる言葉
 「能無し」
女性から言われて嬉しい言葉
 「(佐野からミスチル桜井が「かわいい」と答えたと聞き)あ、それ分かります。
  かっこいいよりかわいいと言われたほうがグッときます」
死ぬ前に愛する人に残す伝言
 「ごめんなさい」


後藤さんは多感な頃からずっと詩を書いていると思うんですが、詩を書く上で、最
近悩みってあります?

 「最近の悩み・・・一番の悩みは、結局、私が書いてアウトプットされる場所が
  AKGってことです」
それはどういうこと?
 「んー、装置としてもの凄く大きいってことですね。だから、それに対する責任
  感みたいなものが、自分の中にいつもまとわりついていて、これを振り払いた
  いな、と思う時が・・・沢山ありますね」
 「正直、世に出て売れるってことがこんなに大変なこととは思ってなかった自分
  があって、凄いプレッシャーもあるし。なんかでも、ライブの現場ってところ
  で、全部洗われてしまうこととかあって」
そうかぁ(大きくうなずく佐野)。
 「ここにある、この空気だったんだなって。何に戸惑ったりしていたんだろう、
  みたいな気持ちになるのはいつもツアーなんですよね。うん。だから多分実際
  に鳴らすってことがもの凄い大きな意味を持っている、というのはツアーをし
  て、身をもって体験し続けています」
そういうことなんだろうね。

後藤さんの詩は音楽の詩でありながら現代詩、文学詩であると思うのですが、後藤
さん自身、詩人だ、と意識していますか

 「本当に自分のことを詩人だ、と意識したのはここ2年ぐらいで短いです。前は
  私はミュージシャンだ、という意識が強くて。文学的と言われることに戸惑い
  があったけど、今はもう意識的に僕は詩人ですよ、って思ってる」
 

音楽はヒップホップ以降新しい発明がない。皮膚感覚的にはこれから言葉の時代な
んじゃないかと。音楽において言葉がもっと重要視されるようになると思う。サウ
ンド自体はある種出尽くしているのでは。音楽にのせる言葉で決定的なものはまだ
無い、と後藤は語る。

雑誌の対談で後藤は、ロックはヒップホップに負けるかも、と語った。
これについてもう少し詳しく話して、と尋ねる佐野。
やっぱり、端的にいってヒップホップの方が有利、と後藤。語る文字数の自由さ、
ビートの意識的配置。グルーブ感。対してロックバンドは様式美に縛られている。
日本のいわゆるギターロックはちょっと内省的すぎるし、自分たちに課している足
かせを外せない印象がある。
 「自分なりの、ラップなのかポエトリーリーディングなのか、歌っているのか、
  なんかよくわからないやり方って絶対あるんじゃないかって思ってて。だから
  まず自分でトラック作って、マイク立てて自分のスタジオで。わあーっ、って
  わめき散らす訳じゃないですけど、まくし立てるところから始まって。なんか
  自然と言葉と、メロディーが乗ってきて、そうすると「新世紀のラブソング」
  のような歌い方になった、これが出来たときは嬉しかったですね。
  自分なりの韻の踏み方だとかそういうのが自分の中に落とし込めた、と思った
  んですね。インスタントな形じゃなくて。3年がかりぐらいでやっと「新世紀
  のラブソング」のリーディングに辿り着いた。難産でしたけど、ヤッタ!って
  気持ちよさがありました」
わかります。すごく面白いね。



ワークショップ。
「さよならロストジェネレーション」の歌詞の一節
"2010は僕たちを一体何処に連れてくの?"
からインスパイアされた四行詩を創作。
学生たちの作品いくつかを紹介し、後藤の作品も後藤自らがリーディング。

「君が夜と呼ぶのなら」
君が闇と言うのならば此処は闇
君が夜と現在を呼べば此処は夜
星になって 暗闇だって青に染まる
君にだって 夜を越えて朝が来る

 「どうしても歌にすることを考えてしまうんで、韻をたくさん踏みたがる…」
そこで、ちょっと見慣れない機械があるんだけど…それはなに?
 「えーと、これで実際にこの詩を歌ってみようかな、っていう…」
場内どよめく。拍手。
 「あとね、これもう一個歌えるかなっていうのがあったんで、足せたら歌いたい
 なあ…」
聴講生の詩?
 「はい」
後藤、学生の詩を紹介。自分の詩が朝が来るところで終わっていて、その学生の詩
「太陽の呼び声」がその後の景色を歌っているようで、足せたら足したいと言う。

「太陽の呼び声」
雨ざらしの昨日でも 
目隠しの明日でも
見たいんだ きっと
好きになるエンド

韻を踏んだつくりを褒める後藤。ただ、最後が「エンド」、終わりで終わるのは悲
しいよね、最後の一行だけはグッと来なかったんだけど(笑)。でも最初二行はビジュ
アル的にもいいな、と思って気に入りました。と語る。

 「今日一番緊張します…」
とミニシンセ(KORGのカシオレータープロ、らしいです)の前に立ち、操作し始める。
打ち込み、ループフレーズを創り上げ、詩を載せて歌い始める後藤。
自分の詩と学生の詩前半2行、さらに言葉にならない声で、即興の歌を歌い終える。

素晴らしい…
握手を求める佐野。
 「ちょっと…これ三日前に買ったんで、あの…」(場内笑)
ホントに?
 「ボリュームサイド落とすやり方分かんなくて、終わり方ダサかったけど…」
いやあ。みんな、これ即興だと思える?言葉があって、そして彼の中で音楽がクリ
エイトされる瞬間を僕たちは目撃した。これは素晴らしいことだと思いませんか、
皆さん?

場内拍手。

詩が採用された学生に最後の2行は読めなくて、と謝る後藤。
学生「いえ、使ってもらえただけでもう・・・」
自分の書いた詩が音楽として形を変えて放射される、この瞬間を自分で経験したん
だけれど、なにか言葉にしたいことある?

学生「ちょっと、自分の書いた詩はシニカルな感じが結構強かったんですけれど、
   後藤さんが歌うことによってポジティブさが添加されたというか、そういう
   部分は感じました」
ああ、大事な発見ですね。どうもありがとう。
 
作品として出てくる時のプロセスについて尋ねる佐野。
歌っている時に即興で出てきてしまったもの、そういうものを大事にすると後藤。
音楽なんてつまりは即興なんですね。間違っていたんだけど、何か愛おしいもの。
そういうものを僕らはかき集めて一つのカタチにしてやっていて。言葉も似たとこ
ろがあるような気がする。と。さらに続けて、
 「言葉の方が速度が遅い。いま僕歌ったけど一番よかったのはどこかって、自分
  では最後の”おぉお~”(言葉にならず、叫んでいるような声のところ)って歌った
  ところ。皆もオッ、と思ったと思うんだよね。
  それはどうしてかって、音楽の方が速度が速いからで、僕たちソングライター
  はそれを追いかけてるんです、言葉で。多分歌ってる時に出て来た言葉は速度
  が速いんです。ハァ~とかフウゥ~とか言葉が自然に出て来ちゃうものって、
  僕の中では「それを採用」って、それがキーワードになっちゃったりするんで
  すけど。リズム的にはあまり力かけないです」


学生からの質問。
学生「私は日本文学を学んでいるので、日本語に興味があるんですけど、後藤さん
  の書く詩は大体日本語、を使うと思うんですけれど、それは自分の中で英語は
  使わないぞ、とか思ったりしているのでしょうか?」
面白い質問だね。
 「それは、…語尾だけ英語とかズルいな、とか思うんです。韻を踏むにしても。
  選択肢が広がるので。僕も使わないわけじゃなくって、最初に書き始めた時に
  自分で決めたのは、カタカナにして意味の伝わらない英語、センテンスとかは、
  止めようと思ったんですね。それは何か、当時の自分の、いわゆるJポップと
  いうものの歌い回しとかに対する…ちょっと反抗心とか。何でこんなに、サビ
  だけ見たら半分ぐらい英語になっちゃった、みたいなのって、なんでなんだろ
  とか思ってたんですね。
  でも当時僕ね、一番最初に歌詞書き始めた時は英語あったんです。何でかって、
  言いたいことなんて一つもなかった。メッセージもなかったし。けれどある日、
  日本語でやろうと思ってからは、どうせやるんだったら徹底的に日本語で書い
  てみようと思って。それは特に言いたいことが増えたわけじゃないけれど」


講義終了後。
 「緊張しましたねえ…。まあ何十回も何百回も歌い込んでライブでは歌っている
  ので…初めて歌うとかねえ。ちょっと緊張したんですけど。でもあそこで僕の
  緊張感だったり震えだったりとか、最後にそれが解き放たれて アドリブだっ
  たりとか、そういうところに音楽の魅力とか揺らぎがあると思うんで、なんか、
  そういうのも含めて楽しんでもらえたら嬉しいですね」




聞いたことの無いアーティストでしたが、この対話は非常に興味深いものでした。
多分、今までのゲストの中で佐野の音楽世界に一番近いものが彼にはあるような。
後藤が即興のパフォーマンスを演じているときの、佐野の興味津々で、さらにどこ
か優しげに見守っている風の表情が印象的でした。



次回はムーンライダーズ鈴木慶一。大御所の登場です。

「佐野元春のザ・ソングライターズ 2ndシーズン」全12回予定
NHK教育 毎週土曜 夜11:45-0:15 (再放送は次週の土曜 昼10:30-11:00)



←Vol.1・Vol.2 ゲスト:桜井和寿 へVol.5・Vol.6 ゲスト:鈴木慶一 へ→





テーマ:NHK教育 - ジャンル:テレビ・ラジオ

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