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アニメ映画 紅の豚

'10,7,2放映 日本テレビ系列 金曜ロードショー

「紅の豚」(1992) 感想
オリジナル93分、放映時間114分、放映本編時間93分。
当初は模型雑誌「モデルグラフィックス」にて宮崎駿が不定期連載していた
マンガ「雑想ノート」の中の一編「飛行艇時代」を原作にして、日本航空の
機内上映用に30分程度の作品を製作する企画として始まったのですが、構想
が膨らみ、長編作品として劇場公開されることになった本作品。劇場公開よ
りも先にJAL国際線で先行上映されたそうです。


だいたい宮崎アニメ、ジブリ作品は子供たちがターゲットであり、結果的に
よく出来た作品故、大人も楽しめる作品であるわけなんですが、本作は例外
的に大人向け、宮崎監督が同年代に向けて創った作品です。

ですから主人公が様々な体験をして成長する若者・子供ではなく、メタボな
オヤジ。なぜか豚顔ですが、これは人として生きることが嫌になって魔法に
よって豚になることを自ら選んだという設定らしいです。

本作の魅力は、この主人公がいいトシした大人であることなんでしょうね。
空賊を退治する賞金稼ぎ、しかし完全な正義の人、と言う訳でもない。自己
の明確なルールがあり、そのルールに従って(そのためには一般社会にも背
を向けても)生きている。
そういう「ダンディズム」は現代において実写で描くとパロディにしかなり
得ない危険性が高いのですが、宮崎アニメというファンタジーでは心地よい
作品世界を味わうことが出来ます。

戦争ではない、と最小限にしか弾丸を打たない。壮烈なドッグファイトでも
決着がつかなければ、お互いの拳を武器にひたすら殴り合う。男だねえ。

古典的名作「静かなる男」「赤い河」、ともにジョン・ウェイン出演ですが、
クライマックスで二人の男がひたすら殴り合う代表的な映画です。本作品の
クライマックスはそんな昔の映画を思い起こさせます。

ひたすら殴り合っている二人の男。
そんな男たちを止めるのは、大人の女性しかいないわけで。
ジョン・ウェインの両作品でも「いいかげんにしなさい!」と女性に一喝さ
れて、呆気にとられる男たちなんですが、本作品でもやはり止めにくるのは
ジーナなわけです。
残念ながらフィオにはまだこの殴り合いを止めることは出来ないんですね。


そんな主人公の魅力と共に、他の宮崎アニメと共通する魅力が空を飛ぶこと
への憧れ、爽快感。
主人公が飛行艇乗りですから、もう空を飛ぶシーンは満載です。クラシック
なプロペラエンジンの水上機が重要なキャラクターと言っていい演出。

ちなみに、ちょっと気になって調べたら、

飛行艇
  …水上にあるとき、主に艇体によってその重量を支持する水上機。
水上機 (フロート機)
  …水上にあるとき、フロートによってその重量を支持する水上機。
 
だそうです。ですから、主人公ポルコが乗っているのは飛行艇で、カーチス
機はフロート機(狭義での水上機)となります。


ポルコの愛機は「サボイアS.21試作戦闘飛行艇」。このサポイアという航空
機メーカーはイタリアに実在したそうですが、飛行艇は架空のものです。
モデルになったのは「マッキ M.33」をいう機体だそうです。

こちらのサイト真ん中あたりから実機の紹介されています。
[遅れてきた英雄]
http://www.geocities.co.jp/MusicStar-Guitar/7004/mc72.html


宮崎監督は飛行機や戦車などはマニアといっていいほど詳しくお好きなよう
で、そんな監督の男の子的感性が本作品でも遺憾なく発揮されています。

監督の趣味を全開でマンガ「泥まみれの虎」もアニメ化して欲しかったなあ。
今の宮崎監督では絶対に創らないだろうし。以前、「雑想ノート」の一編、
「多砲塔の出番」という多砲塔重戦車の話を押井守監督にてOVA化する企画
があったそうですが、諸事情で中止となったそうで。これもとても残念な話。


宮崎アニメには珍しくメッセージ性も薄いこの作品。
フィオが空を飛んでのつぶやき「きれい…世界って本当にきれい」が全てだ
と思います。ポルコの辛い過去の思い出。いろんな事があった空。世界。
それでも世界は「綺麗」なんだな、と。


【紅の豚 キャスト(声の出演)】
<ポルコ・ロッソ>森山周一郎(青年時代のポルコ・ロッソは古本新乃輔)
 本名マルコ・パゴット。36歳。空中海賊相手に賞金稼ぎを行う飛行挺乗り。
<マダム・ジーナ>加藤登紀子
 ポルコの幼なじみ。ホテル・アドリアーノのジーナと呼ばれる。
<ピッコロおやじ>桂三枝
 ポルコの旧友。 ミラノで飛行艇製造会社を経営。
<マンマユート・ボス>上條恒彦
 空の海賊マンマユート団の親分。
<フィオ・ピッコロ>岡村明美
 ピッコロおやじの孫娘で飛行機設計技師。
<ミスター・カーチス>大塚明夫
 空賊連合が雇った用心棒でポルコのライバルとなる。アメリカ人。
<バアちゃん>関弘子
 ピッコロ一族。ポルコの飛行艇の修理は男は出稼ぎでおらず女だけで作業した。
<フェラーリン少佐>稲垣雅之
 イタリア空軍少佐。ポルコの元戦友。


【スタッフ】
<製作>  徳間康快、利光松男、佐々木芳雄
<音楽監督> 久石譲
<主題歌> 「さくらんぼの実る頃」唄 加藤登紀子
<作画監督> 賀川愛、河口俊夫
<原画>  金田伊功、近藤勝也、佐藤好春
<美術監督> 久村佳津
<プロデューサー>  鈴木敏夫
<原作・脚本・監督> 宮崎駿
1992年 東宝作品


テーマ:映画感想 - ジャンル:映画

コメント

はじめまして。
わたしは逆に、すごくメッセージ性の感じれる作品だと思いました。
しかし、それは見る人それぞれが感じる事なので、どちらが正しいとかいう事を言いたいわけではありません。
わたしもフィオの「きれい、世界って本当にきれい」のセリフが全てを物語っていると思っていたので、同じ思いをしてる方がいらっしゃったのが嬉しくて、思わずコメントしてしまいました。
長々と失礼致しました。

  • 2010/08/01(日) 17:34:22 |
  • URL |
  • 大福 #-
  • [ 編集 ]

Re:

大福 さん、はじめまして。コメントありがとうございます。

映画を観ての感想は十人十色、人それぞれで良いと思います。
ですから大福さんがメッセージを強く感じられるのも、当然あり得ること。
いろんな意見、感想があるからこそ面白い。そう思います。

いわゆる「宮崎アニメ」は監督の思い、思想が良くも悪くも「声高に」
聞こえてくる作品が多いように私は感じてます。そんな中でこの「紅の豚」
は映画、というより昔の活劇のようなノリでシンプルに観ることが出来た。
そしてあの「きれい、世界って本当にきれい」のセリフがスッ、と私の中に
入ってきました。
素朴でささやかな「監督の思い」がそこにある、と感じたのです。

私も同じような思いの方がいらっしゃって、嬉しく思います。お礼を言います。

今後ともTATEVISIONをよろしくお願いしますね。

  • 2010/08/02(月) 01:21:02 |
  • URL |
  • tate #-
  • [ 編集 ]

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