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アニメ映画 崖の上のポニョ

'10,2,5放映 日本テレビ系列 金曜特別ロードショー

「崖の上のポニョ」(2008) 東宝
オリジナル101分、放映時間124分、放映本編時間101分。地上波初。
テレビ放映されたものを録画して観たのですが、最初の一時間はどうでもい
いような内容。冒頭に「一時間後に映画」と発言があって、本編の始まりが
何時か分かっていたからいいですが、思わず「スター・ウォーズ」がテレビ
で初めて放映されたときのタモリを思い出しましたよ(笑)。
タモリがテレビ画面(視聴者)に向かって、「早く見たい?まだなんだなあ」
みたいなことを言ってウダウダしている導入部分がやたら長く、かなり苦情
が出たはず。私もあの放送のおかげで、しばらくはタモリに対する印象がか
なり悪かった(笑)。



《《ーーー今回の記事はネタバレ含みます。未見の方は注意!ーーー》》

で、本編なんですが。劇場公開当時にもかなりいろいろと評価が別れており
ました。私も一度サラッと観ての感想は、あまりいい評価にはならないな、
という思いでした。

果たしてこれが宮崎駿監督作品ではなく、ジブリブランドではなかったら、
あんなに劇場に人が入ったでしょうか。確かに画は綺麗です。最高ですね。
しかし、「破綻している」という声の高いストーリー。シナリオが無い、と
いわれている(絵コンテのみ)創り方が悪い方に作用した、としか思えない。

細かいところですが、一つ例を挙げると、ポニョを拾った宗介が、家に持ち
帰ってバケツに水道水を入れて、そこにポニョを入れる。
多くの人はそこで、「え。海の魚に水道水はあかんやろ」と心の中で思って
しまうでしょう。

虚構の物語です。されど、だからこそ、細部にリアリティがないと成立する
ものがないのではないでしょうか。
ファンタジーなんだから細かいこと言うなよ、というのはあまりにファンタ
ジーをバカにしていると思います。
ああいう観ている人が引っかかってしまうシーンがあれば、客は作品世界に
はまり込んでしまうことが出来なくなってしまう。
私の宮崎監督のイメージでは、そういう細部にも目を光らせている人、とい
う印象を持っていました。ですからあんなシーンは信じがたい。周りのジブ
リスタッフも誰も気が付かなかったのでしょうか。それとも、某与党の幹事
長のように周りは誰も言いたいことが言えない雰囲気にジブリはなっている
のか?

そんなことを考えながら、鑑賞終了。


ですが。
だがしかし。

どおにも、この作品は違和感を感じるところが多すぎるのです。
で、再度鑑賞。観ました。

そして思いました。
もし、あのシーンも故意に宮崎監督は入れていたとしたら。

その意味は?

うーん、分からない。


そこで、ポニョの批評感想に関するサイトをいくつか覗いてみました。
多くはやはり、破綻しているという声。バケツに真水のところも、多くの方
が突っ込んでおられました。

やはり、初回鑑賞時の感想でいいのかなあ。
その時、目に入ったのが、洪水後に宗介とポニョが出会う舟に乗った婦人は
「大正時代の女性」だと公式パンフに記載されている、という記事。


それを目にした瞬間、アハ体験のようにいろいろ見えて来ました。

耕一の船が「船の墓場」に辿り着いた。
「リサさん、辛いでしょうねぇ」のセリフ。
なぜか元気に走っている老婦人たち。
水辺にずらり並んだ車椅子。
そして、大正時代の婦人がいる水上。

これはもう、皆あの洪水で死んだ、と考えるのが自然でしょう。

あの婦人が乗る舟は、「三途の川」的に、あの世にいく途中で、おそらくは
あの赤ん坊が原因でずっとあの世にいけず彷徨っている状態。生命の象徴で
ある食べ物を赤ん坊は蹴り落とし、同じく生命の象徴となる灯=ロウソクを
いらないと父親は宗介に譲り渡す。

象徴として分かり易いのがトンネル。異界への出入り口であり、子宮、産道
の象徴でもあります。宗介は「通ったことある」、ポニョは「私ここ嫌い」
と言います。そしてポニョは産道を逆に進むことによって、過去に戻るかの
ように人間から魚に戻ってしまう。

バケツの真水も、あれは一種の儀式となり、ポニョの人間界での行動がしや
すくなった、と考えるか、いっそのこと、あれでもうポニョは一度死んで、
その後のポニョは霊としてのポニョと考えることも出来ます。これはあまり
に無茶すぎるか。


すっかりもう都市伝説の域に入ったような解釈になりますね。
しかしトトロの都市伝説は聞いた瞬間失笑してしまいましたが、ポニョでは
こういう風に考えた方が、どんどん話が見えてくる様に感じます。


と、ここまで書いて、発見したのが以下のサイト。

「崖の上のポニョが神過ぎた件:ハムスター速報」 
http://hamusoku.com/archives/09042.html

いやあ、面白い。2ちゃんのあるスレッドを紹介したサイトで、かなり長文
ですがポニョの考察として読み応えのある、面白すぎる記事です。
スレ主さんの考察も「あの世=異界」を描いているとして、全てではありま
せんが概ね同意できる、興味深い意見となっています。
また、このスレのその他投稿者の意見も面白い。なかでも、


159 :名無シネマ@上映中:2008/08/09(土) 22:10:32 ID:RHdpbNt9
ポニョはいろんな見方が出てておもしろいね

自分は、ポニョが宗介の家にやってきてからトンネルをくぐるまでは、
単純に結婚式から老衰して死ぬまでの人生の隠喩みたいだなあと思いながら
2回目を観た。

・ポニョが宗介に抱きついた時に、降り注ぐ金色の水しぶき 
 → ライスシャワー
・玄関でリサがポニョと宗介の名前を呼んで確認を行う 
 → 神父から新郎新婦への確認
・船で出発 
 → 文字通り、二人の船出。(上々・宗介燃えてる・楽しい)
・小舟の一家との出会い 
 → 出産(さすがにポニョ自身が出産するわけにはいかないのでw)
・ロウソクが消えてポニョは寝てしまい、バタ足で進む 
 → 中年期。奥さんはゴロゴロ、ダンナ必死で働く
・宗介の足が地面に付いて、船が小さくなる 
 → 定年退職と身体の衰え
・空っぽのリサカー発見 
 → 親の死
・ふたり手をつないでよろよろ歩く 
 → 老後
・トンネル 
 → 老衰による死

って感じで。


このコメントには唸ってしまいました(笑)。とっても面白すごい考察。

また、

505 :名無シネマ@上映中:2008/08/13(水) 13:05:40 ID:65tM8RJi
やっぱポニョって、物凄く前向きで呑気なエヴァだよな


このコメントも、非常に興味深いですね。

このスレを受けての、ハム速側のコメで紹介されていた、

てすかとりぽか 『崖の上のポニョ』 クトゥルー神話
http://budouq.blog5.fc2.com/blog-entry-625.html
も面白いですね。ポニョはクトゥルー神話だ、という説。

私はクトゥルー神話にはハマり切れなかったのですが、好きな人にはポニョ
の中間形態が「インスマス面」に見えるわけですな(笑)。


宮崎監督の作品は各種神話に影響された面が多いと思われるので、上記サイ
トたちのような考察アプローチも有りだと思います。
でも、当の宮崎駿監督がもし仮にあの2ちゃんで行われた考察を読んだとし
ても、「賢しい」の一言で一蹴、ってことになるんでしょうね(笑)。

監督は意図してこのような「本当は怖いグリム童話」的な物語を描いたのか、
無意識にこのような神話的な側面を持つ物語となったのか、それは誰にもわ
からないこと。監督も正解は絶対に言わないでしょう。

観客として、受け手として私たちはいろいろとこの作品を楽しめるわけで、
そういう意味でも、やはりこの「崖の上のポニョ」は「すごい」作品だ、と
いうのは間違い無いと思います。

さらに間違い無いのは、こうしてやたら考察するよりも、無心になって作品
世界に浸って楽しむことが一番正解なことなんですが(笑)。


【声の出演】
宗介 :土井洋輝 …5歳の少年。
ポニョ :奈良柚莉愛 …本来の名は「ブリュンヒルデ」。
リサ :山口智子 …宗介の母。
耕一 :長嶋一茂 …宗介の父。「小金井丸」の船長。
フジモト :所ジョージ …ポニョの父。本来は人間だったが魔法使いとなる。
グランマンマーレ :天海祐希 …ポニョの母。海の女神。
ポニョの妹達 :矢野顕子 …何百匹といる。
トキ :吉行和子…「ひまわりの家」利用者。憎まれ口の皮肉屋だが優しい面も。
ヨシエ :奈良岡朋子…「ひまわりの家」利用者。宗介を可愛がる優しい老人。
カヨ :左時枝 …「ひまわりの家」利用者。ヨシエと仲のいい老人。
婦人 :柊瑠美 …洪水後に宗介とポニョが出会った舟に乗る女性。古風。
クミコ :平岡映美 …「ひまわり園」の園児。おしゃま。おしゃれが好き。


【スタッフ】
監督・原作・脚本:宮崎駿
プロデューサー:鈴木敏夫
制作:星野康二
音楽:久石譲
主題歌:『崖の上のポニョ』 歌…藤岡藤巻と大橋のぞみ 
作画監督:近藤勝也
美術監督:吉田昇
製作担当:奥田誠治、福山亮一、藤巻直哉
制作:スタジオジブリ



テーマ:映画感想 - ジャンル:映画

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