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特選映画:Vol.2 地獄の7人

地獄の7人"Uncommon Valor"('83) 105分

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事実に基づいて、正直に告白するならば、今までに一番泣いた映画。
劇場で観たのが高1の6月、なんというか、いわゆる5月病のような状況で、精神的に
普通ではないときに観たせいでしょう。

冒頭、戦場から帰らぬ息子を想うジーン・ハックマン扮する退役軍人ローズ大佐。夜、
寝床で雷鳴のなか、幼い息子の幻を見ます。怯えている息子の手を握ろうとするハック
マン。握ったかに思えたその手はしかし幻。我が手をググっと握りしめる・・・
ここでもう、涙腺崩壊。
その後、アツい男達のドラマにひたすらナミダ、涙・・・

それは流石に、ちょっと過剰反応ではありましたが、それでもこの映画、胸を熱くさせ
ます。泣けます。漢と書いてオトコと読む、そんな奴らのドラマです。

この映画を"ベトナムもの"というには違和感があります。いうならば"MIAもの"というべ
きでしょうか。MIAとはMissing In Actionの略で、軍隊用語で『戦闘中行方不明』を意
味します。"帰還兵もの"でもいいかも。
ベトナム戦争で行方不明になった息子は戦死していない、捕虜となって必ず生きている
と信じた男が、政府の国家間交渉には任しておけない、俺が連れて帰ってくる!そう決
心して、かって息子と共に戦った戦友達を集め、ベトナムに向かいます。

冷静な第三者の目線なら、暴挙です。個人が勝手に他国で武器を持ち紛争をおっ始める
なんて、許されることでは無いかも知れません。しかし、当事者の立場を考えるなら、
それでも家族を取り戻したい、その想いを非難する事は私には出来ません。

公開時のパンフによると、実際、製作直前にボー・グリッツ元大佐なる人物が、MIA捜
索の為にベトナムに向かうという出来事があったそうです。

日本でも北朝鮮との拉致問題はなかなか進展しません。出来るものなら個人でこのよう
な救出を行いたい、そう思う家族が実際にいらっしゃるとしてもおかしくないのでは。



さて、原題は"Uncommon Valor"、訳すなら「並外れた勇気」というところでしょう。
これを日本の配給会社が主要キャラ七人ということで、「地獄の7人」としてしまいま
した。邦題としては今イチ。ローズ大佐がメンバー集めに動き、一人ずつ集まっていく
ところが『七人の侍』をイメージさせるし、メンバーもまさに七人ですから、このタイ
トルを連想したのは無理も無いでしょう。もっとも、製作のジョン・ミリアスは黒澤明
の崇拝者ですから、"七人もの"を創りたかったのは間違いありませんね。

ロケはロサンゼルス郡刑務所の屋上、サウガスの競馬場、ロス在住の金属彫刻家マイケ
ル・トッド氏のスタジオなどで行われ、ラオス内にある捕虜収容所のシーンはハワイの
カウアイ島で撮影されました。

魅力あるキャラクター達のなか、最もいい味を出しているのがセイラー。演じるはラン
ドール・テックス・コッブ。撮影当時、ヘビー級ランキング10人に入るプロボクサーで、
キックボクシング、空手でも活躍、ビールの広告などで既にかなり有名な格闘家として
親しまれていたようです。映画デビューは『チャンプ』('79)でジョン・ヴォイトの最終
戦の相手役。本作品が2作目ですが、公開当時のパンフでは「俳優を続ける予定はなく、
ボクシングと空手に全エネルギーを注ぎたいという。」と書かれていましたが、この後
も『ゴールデンチャイルド』('86)、『裸の銃(ガン)を持つ男33 1/3 最後の侮辱』('94),
『Xファイル・シーズン7「ファイトクラブ」』('00)などと俳優としての活動は続けて
います。また、ラリーホームズとタイトル戦を行う等の活躍を魅せたプロボクサーとし
ては1993年に引退しています。

本作において、多くの方が指摘していますが、バンコクに渡った時、当局によって用意
した武器が押収されてしまい、彼らはなけなしの金をはたいて、武器商人からひと山い
くらの中古銃火器を買うという、このあたりが良いですね。

M1ガーランドやトンプソン、BAR軽機関銃などの第2次大戦当時の兵器に武器マニア
にはくすぐられるでしょうし、ストーリーとしても、障害の一つとして効果的。何より
戦後10年、決してもう若くない彼らとポンコツ兵器の組み合わせは、観ているこちらに
もより思い入れが強くなるようです。

ところで、本作において紅一点、七人をサポートして大活躍のライ・ファンですが、エ
ンドロールでは Lau Nga Lai という女優さん。しかし彼女、データベース等でも本作品
しか出てきません。ところが、パンフレットでは Alice Lau となっているんですねー。

どうやら、Lau Nga Lai というのは中文名の英文表記、Alice Lau は英文名なんですね。
中国系は名前が二つあるわけで。中文名は劉雅麗。このアリス・ラウさん、香港映画で
はいろいろ出演しています。驚いたのが、ジャッキー・チェンの『大福星』や『ポリス
ストーリー』にも出演していました。『大福星』では「ヒゲ」と歯医者で出会う金持ち
夫妻の夫人役。『ポリスストーリー』では婦人警官役。画像を見ても、なんか似てない
ような気もしますが、おそらく同一人物で間違いないと思われます。
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ライ・ファン。ヘリ奪取後の投げキッスに注目!

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左:『大福星』、右:『ポリスストーリー』のアリス・ラウ


おそらく、女性には共感して頂けないとは思いますが、男性ならば血流増加、涙腺開放
間違いなしのこの映画、ぜひご覧下さい。


キャスト
Gene Hackman ジーン・ハックマン (退役陸軍大佐ジェースン・ローズ)
Robert Stack ロバート・スタック (石油王マクレガー)
Fred Ward フレッド・ウォード (ウィルクス:ナイフ使い)
Reb Brown レブ・ブラウン (ブラスター:爆薬の専門家)
Randall Tex Cobb ランダル・テックス・コッブ (セイラー:格闘技のプロ)
Patrick Swayze パトリック・スウェイズ(スコット:若き熱血漢)
Harold Sylvester ハロルド・シルべスター (ジョンソン:ヘリの名パイロット)
Tim Thomerson ティム・トマーソン (チャーツ:ヘリの名パイロット)
Alice Iau アリス・ラウ (ライ・ファン:ジャンの娘)
Kwan Hi Lim クワン・ハイ・リム (ジャン:案内役を買って出る中国人)

スタッフ
監督:テッド・コチェフTed Kotcheff
製作:ジョン・ミリアスJohn Milius/バズ・フェイシャンズBuzz Feitshans
製作総指揮:テッド・コチェフ
脚本:ジョー・ゲイトンJoe Gayton
撮影:スティーブン・H・ブラム
音楽:ジェームズ・ホーナーJames Horner
地獄の7人"Uncommon Valor"('83)パラマウント映画 日本公開'84年6月

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ブラスターの勇姿。泣ける!

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ウィルクス。潜入偵察はまさにスネーク。

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再び会える時は笑みをかわし・・・会えぬ時は今を良き別れの時としよう

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セイラーの勇姿(笑)。
エンドロールで流れる曲は"BROTHERS IN THE NIGHT" by Ray Kennedy 。名曲。

「しかしいつかはそしてどこかで・・・人は不名誉をそそげるはず」
「私は信じる 気高い行為のあることを」
「私たちは暗夜に正義をまさぐる兄弟」

DVDには歌の日本語訳がないのが残念。

Copyright(c)1983 Paramount Pictures


テーマ:お気に入り映画 - ジャンル:映画

コメント

ほぼ同年代ですね

この映画を映画館で見たのは卒業時だったと思います。レンタル屋さんでみつけて思わず借りましたよ。100分そこそこの映画でしたが、ラストの20分は長く感じました。見せ場がありましたからね。
捕虜が帰るまでは戦争は終っていないといことが、はじめて理解できました。
簡潔なストーリー運びはまさに監督の真骨頂ぶりが十分うかがえます。良作だとおもいます。

  • 2012/02/26(日) 23:12:35 |
  • URL |
  • ハメット #USzc6/4c
  • [ 編集 ]

Re: ほぼ同年代ですね

ハメット 様
こんばんは。コメントありがとうございます。

同年代で、この映画を気に入っておられるとのこと。貴方とはおいしい酒が飲めそうです(笑)。
テッド・コッチェフはコメディーを多く撮っている監督ですが、本作や「ランボー」1作目
と、骨太で男臭い作品も実に上手いですね。
最近は男臭い映画も少なくなりました。ちょっとばかし寂しいです・・・

  • 2012/02/27(月) 02:02:09 |
  • URL |
  • tate #-
  • [ 編集 ]

歌詞翻訳?

この無力感
この心の痛みは なぜなのか
それは無益な戦いと・・・・・・
悪夢と涙の 10年のせい
いつの間にか矛盾と・・・・・・
のしかかる恐怖が きれいな心や・・・・・
真の勇気を この世の汚濁で・・・・・
曇らせた だがそれらは・・・・・
消えはしない 私は信じる・・・・・
気高い行為のある事を・・・・・
永遠につづくその勇姿を
私は信じる 気高い行為のある事を
私たちは闇夜に 正義をまさぐる兄弟
黒い猛々しい力が 仮面の向こうに
今すぐそれらは 取り除けない
しかしいつかは そしてどこかで・・・
人は不名誉を そそげるはず
過去の勇気が その道しるべ
きたない戦争が 多くの心を曇らせた
だが消えはしない
私は信じる・・・
気高い行為のある事を
永遠につづくその勇姿を
私は信じる・・・
気高い行為のある事を
私たちは闇夜に 正義をまさぐる兄弟
みんな闇夜の兄弟
すべての人が手を握るべき

  • 2012/03/16(金) 14:51:48 |
  • URL |
  • せきしゅう #q1cvaNjE
  • [ 編集 ]

Re: 歌詞翻訳?

おおおおおーーー。

せきしゅう 様  
コメントありがとうございます。

これは、エンディングの"BROTHERS IN THE NIGHT" の日本語歌詞ですね。
ビデオかLDには、訳された歌詞が入っていたはずですが、DVDでは訳されていない
のが残念だったので、これはうれしいです。
2010年にはサウンドトラックも限定販売されたそうですが、私は知らずに買い逃し
ました。何故に今頃っ!

改めて、いい歌詞だなあ、と映画を思い出しながら読みました。
情報ありがとうございました。

  • 2012/03/17(土) 02:27:33 |
  • URL |
  • tate #7EGgl1.w
  • [ 編集 ]

偶然ですが拝見しました。

私が高校生の時ですが仲間達と一緒にオールナイト映画(今じゃ高校生じゃ怒られますな)で見に行きました。
見終わった後に感動の涙を見せないように(かっこつけですが)皆共に平静を装ったのを憶えております。
今でも当時の仲間同士では必ず飲み会のネタとなっております。
私も45歳超えましてジジィの年となって来ましたが16-24歳位までに見た映画、音楽は今でも心から離れないものですね。
ただ、「戦争映画で感動!」という事を嫌がる方々いますのでなるべく胸にしまっているところ、偶然立ち寄らせていただいて感動のあまり投稿させていただきました。
なお、「地獄の七人」のCDアルバムはUSA AMAZONでまだ買うことができますよ。
私も偶然なのですが買っちゃいました!
送料も円高の影響で安いので同でしょうか。

  • 2012/03/19(月) 21:16:45 |
  • URL |
  • masa1967 #-
  • [ 編集 ]

Re: 偶然ですが拝見しました。

masa1967 様
初めまして、コメントありがとうございます。

映画の思い出って、作品そのものだけではなく、観た当時の状況、環境、劇場の空気感、
一緒に観た人と観賞後に交わした会話、等々いろんなものがひっくるまって、「映画を
観た」思い出になるんですよね。masa1967さんの「地獄の7人」を観た時の思い出、
いいですねー。素敵な思い出だと思います。

> 16-24歳位までに見た映画、音楽は今でも心から離れないものですね。
おっしゃるとおり、高校・大学生ぐらいの頃に触れた映画、音楽や本などは今でも忘れ
られないものが多いです。逆に最近観た映画は「あれ、これって観たっけ?」と思い出
せなかったり(苦笑)。
ですから、若い人にはとにかく一本でも多くの映画を、一冊でも多くの本に接して欲しい
ですね。
少ない小遣いをやりくりして、毎週の様に映画館に通ったあの頃が懐かしいです・・・

> ただ、「戦争映画で感動!」という事を嫌がる方々いますので
いーじゃないですか。戦争映画で感動、しましょうよ。極限状態を描くんですから、感動
できる物語もあって当然だと思います。
「大脱走」
「Uボート」
「プラトーン」
「メンフィス・ベル」
等は感動出来る戦争映画じゃないでしょうか。

  • 2012/03/20(火) 19:04:44 |
  • URL |
  • tate #7EGgl1.w
  • [ 編集 ]

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