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映画 渚にて

'09,9,1,放映 NHK衛星第2

「渚にて」"On the Beach" (1959) 135分
1964年。第3次世界大戦による放射能汚染で北半球が全滅する。残った人々は南半球
の一部地域で暮らしていたが、死の灰は南半球にも迫っていた。生き残ったアメリカ
軍の原子力潜水艦がオーストラリアのメルボルンに入港する。そこでタワーズ艦長は
美しい女性モイラに出会い、二人は心惹かれ合うが、彼にはアメリカに残した妻子が
気がかりでモイラとつきあう事は出来なかった。
北半球の汚染調査に向うこととなり、オーストラリア海軍士官ピーターや学者のオズ
ボーンと共に出航するタワーズ。しかしどこも汚染されている。そんな中、アメリカ
合衆国のサンディエゴからモールス信号が断続的に発信されてきた。生存者がいるの
だろうか?アメリカに向った彼らが目にしたものは・・・・





衛星放送で放映したそうで、私は今衛星放送を観る環境が無いのですが、好きな作品
なもので、DVDを観ての記事書き込みです。

終末テーマの名作。人類世界の滅亡を描きながら戦闘シーンも爆発、パニックシーン
も無い。世界大戦が「起きてしまった」後の世界を淡々と描いた社会派反核映画です。

と言うと、とても暗い映画に聞こえるかも知れません。勿論、世界の終末を扱ってい
るのですから明るくはありませんが、暗いとは感じず、どちらかと言えば「静かな」
映画といえる語り口です。

今なら、核爆発のシーン、一瞬で大都会が消滅するシーン、ズタズタに崩壊している
街並、そんなカットが随所にSFXを用いて使われることでしょうが、本作品には一切
そのようなシーンはありません。全滅したサンフランシスコを写すシーンも、無傷の
大都市、但し人影は無い・・・と、いう感じです。

それでも、その語り口から観客は核戦争をイメージし、その結果に恐怖します。北半
球は全滅、南半球も核汚染が進み、修復は不可能。人類は死を待つしか無い世界。

1959年の映画ですから、若干そのタッチが古くささを感じるかも知れませんが、いつ
までも残り続けて欲しい作品です。

原作も古典SFのスタンダードとして創元SF文庫から出ています。私も高校生の時分に
読みました。若い方にも是非読んで頂きたいです。
今年四月に完全新訳で改めて出たそうです。改めて出す価値のある本、ということ。

原題は「On the Beach」、邦題の「渚にて」というのがいいですね。詩情を感じさせ
る名タイトルだと思います。

詩人T・S・エリオットの詩The Hollow Menが引用され、そこにある"on this beach"
が原題の由来です。日本語訳を引用します。

このいやはての集いの場所に
われら ともどもに手探りつ
言葉もなくて
この潮満つる渚に集う

かくて 世の終わり 来たりぬ
かくて 世の終わり 来たりぬ
かくて 世の終わり 来たりぬ
地軸崩れる轟きもなく ただ ひそやかに

また、"On the Beach"には慣用句というかスラングというか、船乗りが丘に上がって
いる=陸上勤務=仕事が無くなった、という意味もあるそうです。


この映画が製作されて50年。東西冷戦は終わりました。しかし、核の恐怖は未だに
存在します。逆に増しているとも言えます。人類は、進歩したのでしょうか?


グレゴリー・ペック…タワーズ艦長
エヴァ・ガードナー…モイラ
フレッド・アステア…原子科学者ジュリアン・オスボーン
アンソニー・パーキンス…オーストラリア海軍士官ピーター・ホームズ

監督  スタンリー・クレイマー
製作  スタンリー・クレイマー
原作  ネヴィル・シュート
脚本  ジョン・パクストン
撮影  ジュゼッペ・ロトゥンノ
音楽  アーネスト・ゴールド
美術  フェルナンド・キャリー

テーマ:映画感想 - ジャンル:映画

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