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未来は今 10years old, 14years after

'09,3,25放映、NHK総合、近畿ブロック

NHK ドキュメンタリー×ドラマ「未来は今 10years old, 14years after」
ドキュメンタリーの中にドラマパートがあるのですが、そのドラマパートもドキュ
メンタリー的な造りで、ちょっと変わった番組でした。

阪神淡路大震災についての番組制作において「あの日を忘れてはならない」という
ナレーションに違和感を感じ、抵抗無く吹き込むことが出来ない森山未來。

「忘れた訳じゃないけど、声高には言えない」
「自分の口から言うことは、今の自分に本当にそぐわない気がした」

森山君は神戸市出身、10歳のときに阪神淡路大震災で被災。ですが幸いにも周り
では犠牲となった人がいない。当時の記憶は、給水車に親と一緒に水を取りに行く
時のワクワクした気持ちとか、突然の非日常での冒険心的な子どもの感情しかない。

だからこそ、被災者としてそんなに軽々しくメッセージを発することなど出来ない、
彼の誠実な気持ちが段々と伝わってきます。

興味深いのは、番組中での上田早苗アナへのインタビュー。当時は東京勤務でした
が、たまたま芦屋の単身赴任の夫のもとに帰っていて地震にあい、翌日はパジャマ
の上にコートを着て、震災の状況をレポートしたそうです。そんな彼女の発言が、
「自分はここの人間じゃない、生活を立て直していかなきゃならない人とは違う。
家族を無くしたのでもなければケガもしなかった。『よそもの』ですよね。そんな
私が震災についていろいろ言っていいのかと」
まさに森山君の心情と重なるところがあります。

お二人の気持ちはとてもよく分かります。
当時、私は大阪市内であの地震を体験し、何の被害も無かったのですが、勤めてい
た会社の先輩数人が被災し、何日か原付に乗って神戸へ水や生活用品を持って走り
ました。あの時の経験はとても大きなものでした。崩壊した家、ビル、道路。大量
に作っていた棺桶。白布に包まれて並んでいる何体もの遺体。テレビの中で、遠い
異国でしかありえないと思っていた風景が目の前にありました。
ですが、私も「よそもの」です。夕方になって橋一本渡った大阪に戻ると、普通の
日常が待っています。街にはネオンが煌めき、賑やかに笑い楽しそうな若者、酔っ
ぱらったおじさんも大勢いました。そのギャップ。
正直、当時はかなり混乱しました。あの棺桶は夢にも出てきました。でも、所詮は
よそもの、ビジターな私がしたり顔で震災についてどうこういうのはおこがましい。

私の些少な体験と比べるのも失礼な話なんですが、森山君も悩み、苦しんでいます。
これは演出ではなく、リアルな姿だと思います。
そして、ラスト、森山未来自らが書いた原稿でのナレーション。果たして彼はどの
ような自分自身の声を残すのか。
是非、観て頂きたいです。

当初、どのような脚本だったのか、非常に興味があります。おそらく撮影しながら
大きく姿を変えたのではないでしょうか。

脚本・演出は井上剛。あの名作ドラマ「クライマーズ・ハイ」後編、「ハゲタカ」
2、3話の演出をした人です。

決して楽しいプログラムではありません。しかし多くの方に観て頂きたい作品です。

3月の放送は関西地区のみだったのですが、全国オンエアされるそうですので。

放送は、'09年9月4日(金)深夜25:25~ NHK総合 です。


出演  森山未來
    光石 研
    他

脚本・演出  井上剛

テーマ:ドキュメンタリー - ジャンル:テレビ・ラジオ

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