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映画 硫黄島からの手紙

'09,8,15放映 フジテレビ系列

『硫黄島からの手紙』"Letters from Iwo Jima" 2006年アメリカ
オリジナル141分、放映時間150分、放映本編時間120分。
『父親たちの星条旗』と対をなす、硫黄島の戦いを日米双方の視点から描いた二部作
の日本側からの視点となる作品。

こういう映画を日本が創れないことが悔しい。劇中ほとんどのシーンが日本語で進行
する、という意味ではアメリカ映画とは思えませんが、とてもよく出来た作品です。

戦争映画と言うのはアクション映画の一ジャンルという側面もあり、そう言う意味で
はたいていの戦争映画では、その戦闘シーンで敵をやっつける爽快さ、カタルシスと
いうものがあるのですが、本作品ではそのようなものは一切ありません。ヒロイズム
的なものばかりでなく、邦画にありがちな情緒的なものも最低限に押さえた造りです。
これは、意図的にそうしたと考えるのが当然でしょう。
一つには、主人公たちの敵となるのはアメリカ軍であり、アメリカ人がバッタバッタ
と死んでいくシーンをあまり入れるとアメリカの観客が拒否感を示すのを恐れたのか
も知れません。日本軍兵士を恐怖の存在では無く、人間として描く為に、アメリカの
観客の感情に不必要な壁を作らない為に。

エモーショナルな演出は極めて控えているのに、それでも観ている人の胸を打つ映画
を創るクリント・イーストウッドという人、本当にすごい映画人です。

日本軍の中にも良い奴はいるし、非道な奴もいる。米軍もまた同じ。必死の思いで投
降してきた捕虜を撃ち殺す奴もいる。平和なら日本のパン屋で、アメリカの牧場で、
日々を暮らせた筈なのに。


当時、既にサイパンは落ち、日本本土への空襲は可能な状態でした。しかし、援護す
る戦闘機は距離的に飛べません。硫黄島を確保できたら、ここにある飛行場から援護
の戦闘機も本土空襲に帯同できます。また、被弾、故障したB29の緊急着陸も可能と
なり、アメリカ軍としては是非とも手に入れたい島だったのです。

当初5日で決着はつくと見ていたアメリカ軍は、予想以上の日本軍の抵抗に苦戦し、
1ヶ月以上の死闘が続いて死者約6800人、負傷者約22000人の被害を出しました。
日本軍の死者は約21000人ですから(玉砕ですから負傷者はゼロ)、死傷者数では
アメリカ軍の被害が日本軍の被害を上回ったのです。

Wikiによると史実での経過は以下のようになっています。

1944年
6月8日 栗林中将、硫黄島に着任。
12月8日 アメリカ軍による硫黄島空襲、艦砲射撃。以降ほぼ連日空襲が行われた
1945年
 2月16日 アメリカ軍硫黄島派遣軍が攻撃を開始
 2月19日 アメリカ軍、硫黄島上陸開始
 2月23日 摺鉢山独立拠点をアメリカ軍占領
 3月15日 アメリカ軍、硫黄島の完全占領を発表
 3月16日 守備隊、大本営に訣別電報を打電
 3月19日頃 西中佐、戦死したとされる
 3月26日 日本軍守備隊最後の組織的総攻撃。栗林は総攻撃に際し、階級章を
      外して参加、現在でも遺体は確認されていない。


日本側の描写もアメリカ映画にしては殆ど違和感ありませんが、栗林中将に対しての
セリフで「ジープを取ってまいりましょう」と言ったり、日本兵が「ライフル」と言
うのは観ていて引っかかりました。あれは直して欲しかったなあ。

また、英語タイトルでも分かる様に、「イオウジマ」とアメリカでは言われています
が、日本語としては「イオウトウ」が正しいみたいです。と、なるとあのラジオから
流れてくる歌も間違っている、ということかな?

陸軍と海軍の対立、というところも若干分かりにくかったですね。そこらをまとめる
栗林中将の苦労ももう少し描いた方が良かったのでは。

まあ、こうして挙げた気になる点も些細なことで、間違いなく映画史に残る作品です。

あと、不格好なミサイルみたいな武器を日本軍が使用していましたが、ロケット砲の
一種「噴進砲」を当時の日本軍は新型兵器として持っていたそうです。細かいデザイ
ンは違うでしょうが、旧日本軍の九八式臼砲もしくは噴進砲などの情報を基に、美術
スタッフが作ったのだと思われます。



●キャスト
渡辺謙:栗林忠道陸軍中将
二宮和也:西郷昇陸軍一等兵
伊原剛志:西竹一陸軍中佐(バロン西)
加瀬亮:清水洋一陸軍上等兵
中村獅童:伊藤海軍大尉
渡辺広:藤田正喜陸軍中尉(栗林の副官)
坂東工:谷田陸軍大尉(西郷ら所属の中隊長)
松崎悠希:野崎陸軍一等兵(西郷の友人)
裕木奈江:花子(西郷の妻)

●スタッフ
監督    クリント・イーストウッド
製作総指揮 ポール・ハギス
製作    クリント・イーストウッド
      スティーヴン・スピルバーグ
      ロバート・ロレンツ
脚本    アイリス・ヤマシタ
撮影    トム・スターン

テーマ:映画感想 - ジャンル:映画

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