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佐野元春のザ・ソングライターズ サードシーズン Vol.9・Vol.10

'11/6/18,25 放映 NHK教育

佐野元春のザ・ソングライターズ  ゲスト キリンジ(Vol.9・Vol.10)

「ホピュラー音楽のソングライターこそ、現代の詩人」
「ポップソングは時代の表現であり、時代を超えたポエトリー」

そんな佐野元春の言葉で始まる「ザ・ソングライターズ」。
3rdシーズン五人目のゲストはキリンジ。
1988年にデビュー、兄・堀込高樹、弟・堀込泰行の兄弟バンド。共に作詞作曲を
担当しています。

では抜粋の書き起こしです。



リーディングは「ハピネス」。
 泰「雰囲気がやっぱり僕らがやるのと全然違うと言うか…」
 高「かっこいいですね。もっと冴えない感じの男の人をイメージしていましたか
  ら。ウディ・アレンみたいな感じだったのが、もうちょっと男前になっちゃっ
  た感じ」
  
キリンジの作品は、よく文学的な詞だね、と言われることが多いと思うんですね。
キリンジの言葉、音楽は文学的である、という評価はご自分たちはどう思われてい
ますか?

 泰「そう言われちゃうと敷居の高いものに感じられてしまう、ということに関し
  ては、ん、んー…というところはあります」
 高「何言ってるか判んないから文学的、と言われてるような感覚が、たまにあり
  ます(笑)。それが引っかかるんですね。文学、っていうのは文学的である、と
  いうのと違いますから」
その通り
 高「これは文学ですね、って言われると「そうです」て言えるんですけど、文学
  的ですね、って言われると、なんかその、オシャレですねって言われてるのと
  同等な感じがするって言うか。すかしてますね、って言うのと一緒なんじゃな
  いかと、思うときがあって。○○的だ、と○○だ、は違うことだと。そこは凄く、
  気になりますね」
  

ソングライティングについて細かいところをお伺いしたいと思うんだけど。「地を
這う者に翼はいらぬ」。この曲、好きなんですけど、1行目ですね。国内ポップス
の中で、最も抽象度の高い表現じゃないかと思うんですよ。
「伽藍堂(がらんどう)の空を飛ぶ 猛禽類にわなないて」
およそ、ポップスの詩とは思えませんよね。…これ何のことですか?
(会場笑)
 高「ようするに『がらんどう』ですから屋根があるんですよね。空がどこまでも
  広やかじゃなくて、ある程度、広いけれども閉ざされた空間の中にあって、ま
  あ閉塞感と言ってもいいですけれど。そこに、凄く強いものがいる、と。鷹と
  か鷲とか。その凄く強い存在に、エサとなってしまうトカゲの存在があって、
  それは社会的弱者と言えるかも知れないですけど、常に強さに怯えている人、
  なる者、ということですね」
今仰ったことは、この曲の最後のラインに繋がってくるんですね。「さよならさ 
グッバイ メンズメンズワールド」このラインは、タフ、マッチョな男性優位の世
界に皮肉を飛ばしたものだ、そういう理解で良いのですか?

 高「その通りです。そういうものに取り込まれるか、そこから逸脱するか、って
  いう話で、だったら私は逸脱しますと。弱い者なりの意思があって、という」


定型質問。
好きな言葉
 泰「よく出てくるのは、『季節』」
 高「好きかどうか分からないですけど、出て来やすいのは『雨』。出てきやすい
  ですね。単に『あ』と来て、『め』と来て。『あ』で広がって『め』で閉じる
  んです。これが歌に凄くはまりやすい。と最近気が付いた」
嫌いな言葉
 泰「アラフォー」
 高「女子会(笑)。アラフォーの女が女子会やるのはダブルでイヤですね(笑)」
人から言われてカチンとくる言葉
 泰「ヘアメイクの人に「眉毛どうしますか?」と聞かれること。問題と思ってな
  いですからって」
 高「2ちゃんで絶賛されてたよ、って言われるのは。絶賛されてたと言われてん
  だけど、なんかムカッと来る。あれ何だろな(笑)」
死ぬ前に愛する人に残す伝言
 泰「ありがとう。…あと、恋人作っていいよ、素敵な人とね、みたいな」
 高「僕も一緒ですかね。「俺、女だったんだ」とか言ってもしょうがないし(笑)。
  やっぱり、ありがとう、ですよね」


兄・高樹の書く詩について、北園克衛や西脇順三郎など日本のモダニズムの詩人た
ちの作風を思い出す、と指摘する佐野。影響を受けた詩人は?という問いに対し、
北園克衛は凄く好きだ、と答える高樹。詩をデザインとして捉えてる感じ、活字と
して読んでみるとポップソングの歌詞に見えた。これだったら自分の好きな感じの
歌詞が書けるかも、と思ったと語る。

吉増剛造の詩に「流星を正面から 顔に刺青できるか、きみは!」と謳っている。
兄の「野良の虹」にて「流星の刺青をまぶたに刻め」と歌っている。吉増剛造の詩
から触発された?と問う佐野。高樹は認め、刺青出来ますか、って言われれば出来
ます。と答える。

弟・泰行に影響を受けた存在を尋ねる佐野。寺山修司の名を挙げる泰行。最近はそ
うでもないが、キャリアが始まった最初の頃は、日本語で歌詞を書くことにも不慣
れだったので、そういったものの影響は強かったと語る。


音楽が先か、詩が先かについては、兄弟ともに音楽が先だと答える。


ワークショップ。
キリンジが番組の為に16小節からなる新曲を制作。この曲を事前にネットで配布
し、聴講生は宿題として歌詞を創作。セレクトされた詩は実際にキリンジが生で
演奏し、歌ってみる。

キリンジと佐野によってセレクトされた詩のひとつめ

 まだ 昨日の声が
 胸の奥で踊る
 淡い風が 僕を導いたなら
 ほら君に逢えた。逢えた。


 泰「すごくきれいにハマってますね、メロディーに」
 
 
セレクトされた詩のふたつめ

 時雨れる都会の海
 対岸は 切り絵のようさ
 浮かぶ鳥が ビルのかげへと消える
 明日にのまれゆく 今日のように

 
 泰「すこし字余りなんで、メロディーを増やしてみました」
映像が浮かんでくる詩ですね。


セレクトされた詩、三つめ
どうしようか迷ったけど番外といっていい感じで、と佐野が紹介。
タイトルは「休職中」。
 
 なに たべようか
 きょうも カレーかな あ
 それか てんどん うどん ピラフ パン ごはん
 でも とりあえずはたらこ

 
キリンジは最後の行を「とりあえずは たらこ」と歌うが、演奏後に作者の学生に
感想を求めると「とりあえず 働こ」という意味で書いたけどダブルミーニングに
なって…と発言。場内騒然。キリンジも佐野も「たらこ」でしか捉えていなくて、
「ああー」と絶句。
作者の意図を尊重して、と改めて「働こ」バージョンで歌うキリンジ。


セレクトされた詩、四つめ
 
 あの かなしみも
 吹き抜ける なつのかぜに 消えて
 にじは たかいそらに 架かってゆく
 かがやく えがお のせて

 

最後に、兄・高樹の作詩で演奏。

 目をそらさないで
 ピアノ 夜はダメさ
 その右手の人差し指で触れた
 ファの音が深く沈む

 
感想を求められた学生「一行目だけが下の三行と比べ、印象が出て来にくいという
か繋がりにくいというか、ちょっと離れているような気がするのですが…」
 高「バレました?って感じなんですけど(苦笑)。いちばん最後に作ったんです。
  ここは。はじめは「もう泣かないで」としたんです。でも、ちょっと臭いかも、
  と思って。メロディーが甘いから、ちょっとした緊張関係が歌詞にあった方が
  いいか、と思ってこんな風になりました」
  

学生からの質問。
学生「多くの人に作品を共有されることについてどう思いますか?」
 泰「歌われるテーマが凄く個人的なことであっても、メロディーに対してしっか
  り言葉が乗っているとか、要するに歌詞として磨いていくと、個人的な経験と
  か感情でも、自分のことを知らない人に伝わるものが出来るんじゃないかと」
その通りですね。いまとても大事なことを仰ってくれたと僕思うんですけど。実際
キリンジが書く詩、複雑だし難解だし、個人的に何か経験しているんだろうけど、
詩だけ読むとわからない。けれどもそこにメロディーが付き、リズムがハーモニー
が付くと、なにか気持ちが共有出来る瞬間ってないですか?

学生「あります。自分じゃない誰かの体験であるとか、詩とメロディーとが融合さ
れたもので聞くと、別の人の頭の中を、自分の中で再現出来るのが凄く面白くって、
難しければ難しいほど、どうしてこういう考えになっているんだろう、っていうの
を巡らせるのが楽しい」
なるほど、どうもありがとう。




とりあえず、たらこがみーんな持ってってしまった感がありました(笑)。

次回ラスト6人目のゲストは七尾旅人です。


「佐野元春のザ・ソングライターズ 3rdシーズン」
NHK教育 毎週土曜 夜11:00-11:30 (再放送は翌週の土曜 昼11:00-11:30)



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  3rdシーズン Vol.11・Vol.12 ゲスト:七尾旅人 へ →




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ドラマ JIN -仁-完結編 第11話 最終回

'11,6,26 放送  TBS系列

「Jin-仁- 完結編」 第11話(最終回)「完結~時空の果て…
150年の愛と命の物語が起こす奇跡のタイムスリップの結末」 感想
長文記事です。ご容赦を。
まずは、あらすじを。

・仁を治すには未来に戻るしかない、と話す咲と野風。しかしそれは願うしかない
・恭太郎は勝からフランス留学を勧められる。だが徳川の為に戦うか、迷う恭太郎
・良順に呼ばれた仁、江戸で戦が起きた際には医学所にご指示を、と依頼される
・辰五郎、仁はしがらみが無いから、俺や良順は徳川様にとって…と考えると説明
・町では彰義隊と新政府軍の兵士とでいざこざが続発していた。戦いは近い
・最早時間はない、最後にオレが出来ることは?自問する仁
・仁友堂の医師に、死んだら解剖してくれと告げる仁。私の死を役立てて欲しい
・絶句するも同意する医師たち。仁は脳医学を集中講義する。講義中も頭痛が襲う
・恭太郎は悩み抜いた末に、上野に向かい彰義隊に参加することを決意する…
・恭太郎の官費留学の話の件を仁と咲に教える勝。橘家を訪問してみると仁
・橘家では母と何変わらぬ会話の恭太郎、寝ている母に別れを告げ、恭太郎は去る
・朝、橘家を訪れる仁と咲と佐分利。門前では恭太郎の置手紙を手に立ち尽くす栄
・佐分利と咲、上野に向かう。仁は仁友堂に戻り、仲間に野戦治療所の開設を指示
・戦場で恭太郎を発見した咲、兄の元に駆け寄ろうとした時に腕を撃たれ、倒れる
・咲、迷惑をかけた今までのご恩返しがしたい、どうぞお戻りに、と兄に懇願
・生きる値打ちも無い、と恭太郎。死ぬなら南方先生に断ってからと佐分利が一喝
・恭太郎、佐分利の言葉に決意した表情で咲を背負い野戦治療所へ向かう
・治療所では勝が、なぜ医学所も呼ぶ、徳川が彰義隊を認めたことになると抗議
・私達は医者、官軍の方でも治すと仁。そーいう問題じゃない、怒る勝に多紀現る
・多紀「医者は医の道を歩くのみ、治まらぬものを治めるのが政の道であろう…」
・我らは鉄砲傷も縫えぬ。だが役に立つこともあろう。玄孝!我らに指図せよ!
・そんな医者達に。たくよー、好きにしやがれバカ医者が。ニヤリと笑い、去る勝
・負傷した咲が運ばれて来た。仁は手が震え、メスも握れない。佐分利が治療に
・仁友堂・医学所・医学館が共に治療にあたっている。感慨に耽る咲
・水汲みを手伝う恭太郎に語りかける仁。貴方が守って来たのは徳川ではなく橘だ
・恭太郎は仲間に戦場に戻ることを誘われるも断る。仲間は戦場で死んでいった
・戦は一日で終わった。戦場で合掌する恭太郎。咲は腕の傷の異変を隠していた
・勝邸で恭太郎、綱領九策を見せられ仁と龍馬の目指したものに思いをはせる
・仁はまた激しい頭痛と龍馬の声。その時、咲が倒れた
・咲は緑膿菌に感染。ペニシリンは無効。体力をつけ免疫力を高めるしかない
・だが咲は好転せず。栄は見舞いを断る。自分が行くと病状の悪さを悟るだろう
・咲を看病する仁。咲は今見た夢を語る。先生がいなくなった。未来に帰った?
・未来に帰れば病は治せる。だから消えて良かった…健気な咲を抱きしめる仁
・動揺するも咲、仁の背中に手を伸ばす。その時、何かが転がる音が聞こえた
・その音で、時空移動直前に階段で拾った薬が咲を治せる薬だった?と思い出す仁
・すぐ戻って来る。絶対に治します。そう言って立ち去る仁。二人の手が離れた…
・仁友堂の面々に、咲を治せる薬を持っていたかも、と仁。それはホスミシン
・橘家、仁友堂、江戸の町中、皆が必死で小さな薬瓶を捜す。
・時空移動で倒れていた場所を捜す仁に龍馬の声が。先生はどこから来た?
・あの脳腫瘍患者(=自分)は錦糸町から救急車で運ばれて来た。錦糸町へ向かう仁
・急ぐ仁の前に官軍兵士が。斬られ頭を負傷する仁。恭太郎が応戦し仁は先を急ぐ
・這いながら着いたのは崖。戻るぜよ、先生。あん世界へ。仁、崖から飛び降りる
・仁を捜す恭太郎。崖に仁の姿は無い。そこに小さなガラス瓶があることに気付く
・そして現代。救急車で運ばれる男。仁が脳手術を行う。患者も帰って来た仁だ
・龍馬の夢を見る患者・仁。龍馬は海の中へずいずい歩いて行く。龍馬は振り返る
・先生はいつかわしらを忘れるぜよ。けど、わしらはずっと、先生と共にいるぜよ
・病室で目覚めた仁。あの時のように薬や救急鞄を盗み、腫瘍の瓶を手にする
・今度は俺が戻るんだ。しかし医者・仁が現れ、非常階段でもみ合う二人
・そして医者・仁が階段から転落、姿が消える。「咲さん…」崩れ落ちる患者・仁
・過去に戻る術を無くした仁。この現代が自分のいた世界と異なることに気付く
・自分が自分を手術した事実はあの脳腫瘍と共に消えた。ミキも病室にいない
・後輩の野口に、入院中に小説書こうと思う、と自分の体験を検証させる仁
・野口はパラレルワールドで仁の体験を説明する。異なる世界に時空移動したのだ
・脳腫瘍はバニシングツインで説明出来ると野口。龍馬の声が聞こえるのは何故?
・臓器移植で性格転移した例を挙げる野口。血を浴び、人格が脳の胎児に転移した
・仁、避けていたことを調べる決意。咲がどうなった?あの日々はどうなったか?
・図書館の仁、ペニシリンは自分の記憶通りフレミングが発見、とある。しかし…
・日本では既に土着的に生産されていた。生産していた医学結社の名は「仁友堂」
・懐かしき面々の写真を目にする仁。しかし、仁と咲の名前はどこにも無かった
・仁、かつて橘家があった場所へ向かう。そこには橘医院の看板を掲げた家が…
・そこに一人の女性が現れる。彼女は野風と瓜二つだった。驚愕の仁
・家に何か御用?そう言い橘家に入って行く女性。咲さんというご先祖は?問う仁
・女性は仁を家に招き入れた。橘咲はここに医院を開いた先祖です、と語る
・彼女が箱を取り出し、一枚の写真を仁に渡す。それは高齢時の咲の姿だった
・女性は語る。咲は長生きした。一度生死の境を彷徨ったが、奇跡的に助かった
・兄の回顧録では、ガラス瓶に入った妙な薬を拾い、それが咲に効いたとのこと
・何枚かの写真は仁友堂と咲が写っていた。更に、あの龍馬の写真が。一人だ…
・恭太郎は船中九策の九つ目、保険に感銘を受け、実現に奔走した人だという
・龍馬の写真、本当は隣に誰かいたみたいだ、と語る女性。確かに…微笑む仁
・続いて咲が子供を抱いた写真が。これは養女です。裏に名前が…仁が裏返すと…
・そこには安寿、と。亡くなった友人ご両親の子供を引き取ったとのこと。
・咲は生涯ひとりで、野風の子を育てたのだ。言葉が見つからない仁
・橘家を出て、女性に礼を言う仁。揚げ出し豆腐は好きですか?と問われる
・はい、と答えると、女性は微笑み、古い手紙を差し出す
・家に入ろうとする女性に、名前を尋ねる仁。「橘未来です」呆然と仁「ミキ…」
・公園にて手紙を開ける仁。そこには薄れる記憶の中で咲の思いが記されていた
・その手紙(全文は後述)には「橘咲は、先生をお慕い申しておりました」と…
・ボロボロと落涙する仁。咲さん…私も、お慕い申しておりました…
・この思いを忘れない、と誓う仁。歴史の修正力によって、記憶は消えて行くかも
 しれない。しかし、この陽の美しさは忘れない。当たり前のこの世界は、誰もが
 戦い、勝ち取ってきた無数の奇跡にて編み上げられていることを俺は忘れない。
 そして、さらなる光を与えよう。今度は、俺が未来のために。この手で…
・新たな患者に関する会議。脳腫瘍があるその患者は橘未来。仁は担当を希望する
・そして、手術。メスを手にした仁「始めます」

=== 完 ===



これにて、「Jin-仁- 」完結。
皆様、いかがでしたでしょうか。
ワタクシ個人的には、かなり満足出来る仕上がりでした。決してハッピーエ
ンドではありませんでしたが、一部を除き充分に納得のいく、丁寧に創られ
たレベルの高い最終回だったのではないでしょうか。

当ブログでは以前にもどこかで書きましたが、タイムスリップ、タイムトラ
ベルという「時間もの」のSFはラブストーリーと相性がいいことはよく知
られた事実です。これまでにも多くの小説、映画、ドラマで傑作を残して来
ました。

本作もそういう作品群に連なる一本となりますね。エンドの切ないほろ苦さ
といい、ワタクシ、好みです(笑)。


実はこういった「時間SF恋愛系」では悲恋に終わることが多いのです。狂お
しくも物悲しい、切ない恋愛だからこそ、光り輝くストーリーになる。

大林宣彦監督の「時をかける少女」1983年の原田知世版では、冒頭に以下の
様なテロップが流れます。

「 ひとが、現実よりも、理想の愛を知ったとき、
  それは、ひとにとって、幸福なのだろうか? 不幸なのだろうか?… 」

「Jin-仁-」の咲さんも、普通に暮らしていれば、おそらくは嫁に行くことに
なったでしょう。高い確率で橘家のお家の事情が絡んだお見合い結婚で、好
きな人と結ばれるものではないでしょうが、それでも日々の暮らしの中、亭
主は咲さんを愛してくれ、咲さんも旦那さんを慕い、子供も産まれて家庭を
つくり、家族に囲まれてそれなりに幸せな一生を送ることが出来たと思われ
ます。

しかし、南方仁と出逢ってしまった。

それは本来、現実にはありえない出逢い。

咲は、現実にはありえない理想の愛を知った。
歴史の修正力に抗い、必死に名前も顔さえも忘れたその相手を心に刻んだ。

だからこそ、咲は生涯を独身で過ごした。

安寿ちゃんを養子に貰ったのだから、家族は出来たんですね。
でも、誰かと結婚する、ということは無かった。

現実よりも理想の愛を知ったとき、ひとにとって、幸福なのか不幸なのか?

さて、皆さんはどう思われますか?




○○先生へ

先生、お元気でいらっしゃいますでしょうか。
おかしな書き出しで御座いますこと、
深くお詫び申し上げます。

実は、感染症から一命を取り留めた後、
どうしても先生の名が思い出せず、
先生方に確かめたところ、
仁友堂にはそのような先生など
おいでにならず、ここは、私たちが
興した治療所だと言われました。

何かがおかしい、そう思いながらも、私もまた、
次第にそのように思うようになりました。

夢でも見ていたのであろうと。

なれど、ある日のこと。
見たこともない、奇妙な丸い胴の板を
見つけたので御座います。

その板を見ているうちに、
私は、おぼろげに思い出しました。

ここには、先生と呼ばれた御方がいたことを。

その御方は、揚げ出し豆腐がお好きであったこと。
涙もろい御方であったこと。

神の如き手を持ち、なれど、決して神などではなく、
迷い、傷つき、お心を砕かれ、ひたすら懸命に治療
にあたられる、“仁”をお持ちの人であったこと。

私は、その御方に、この世で一番美しい夕日を
頂きましたことを思い出しました。

もう名も、お顔も思い出せぬ
その御方に、恋をしておりましたことを。

なれど、きっとこのままでは、
私は、いつか全てを忘れてしまう。

この涙の訳までを失ってしまう。

なぜか耳に残っている「修正力」という言葉。

私は、この思い出を亡きものと
されてしまう気が致しました。

ならば、と筆をとった次第に御座います。

私がこの出来事に抗う術は一つ。
この思いを記すことで御座います。

○○先生 改めてここに書き留めさせて頂きます。

橘咲は、先生をお慕い申しておりました

                      橘 咲



以上、咲さんの手紙全文掲載です。
写真を裏返したそこに、「安寿」と書かれていたところで心がグラグラ揺り
動かされ、この手紙では完全に泣かされてしまいました。

浅田次郎の小説に出て来る手紙のようです(笑)。泣かせるなぁ…

名前も顔も覚えていなくても、揚げ出し豆腐を覚えている咲さんにキュンキ
ュンと心を持って行かれたブログ主で御座います(笑)。

大沢たかおに渡された最終話の脚本には、本人の希望でこの手紙部分は記載
されていなかったそうです。大沢たかおは撮影時に初めてこの手紙を読み、
本当に涙を流したそうで、その瞬間は完全に南方仁と同化していたんですね。



大沢たかおだけでなく、他の登場人物もみな熱演でした。みな良かった。脇
役も光ってました。

「玄孝!我らに指図をせよ!」と指示を請うときもエラソーな多紀元琰(笑)。
あんたカッコいいよ。男だよ。
そんな医師たちに「ったくよー。好きな様にやりやがれ。…バカ医者が」と
毒舌を吐きながらも笑みがこぼれる勝センセ。いいですね。
死のうとする恭太郎に「死ぬんやったら、南方先生に断ってからやろ!助け
てもろた命ですけど、捨ててええですかって!ちゃいまっか!」と怒鳴りつ
ける佐分利。どこか大味な桐谷健太ですが、こんな怒鳴る演技では見事にい
いキャラを出していました。


出演者の演技に関しては大満足ですが、脚本に関しては気になる点が少し。
まず、あの10円玉に関しては謎を回収しませんでしたね。平成21年から幕
末に来た仁。なのに平成22年と刻印された10円玉。あれはいったい?

それから、恭太郎が拾ったホスミシンの薬が入ったガラス瓶。仁が消えた錦
糸町の崖に落ちていましたが、あれはどこから来た?あれには納得のできる
説明を欲しかった。


説明と言えば、現代に帰ってスーパーアドバイザー咲がいない仁センセ、後
輩の山本耕史に小説書こうと思って、と無理やり考証させて説明させて(笑)。
SFをかじった人なら「パラレルワールド」と言われれば即理解できるでしょ
うが、パラレルワールドを知らない人にも判りやすい説明をしてくれていた
と思います。

龍馬の声が聞こえる理由については、少々強引ですが…(笑)。
血を浴びたことが関係しているような印象はありましたが、ちょっとねえ。
仁は納得していましたが、ワタクシは納得出来ませんでした(笑)。



この最終回だけでなく、「仁 完結編」を通じての感想になりますが、説明
・視聴者の誘導、が少々ヘタだった感があります。何らかの出来事・ある登
場人物のとった行動。そうしたことを本来は登場人物の演技、心の内の表現、
そういったもので表現して欲しいところを第三者(多くは咲)が安易に説明セリ
フを多発してしまい、それで終わらせる。

また、全体的にダイジェスト感覚で、ストーリーがポンポン進み過ぎ、じっ
くり描いて欲しいエピソードもサラッと流れていった印象もありました。

これらの原因は共通していると思います。
1クールという時間枠が短すぎ、描きたい量と放送時間が合っていなかった。

原作のコレとコレとコレは描きたい、こんなオリジナル展開も入れたい。そ
んな要望に対し、圧倒的に時間が足りない。だからじっくり描きたいところ
も時間をかけられず、ダイジェスト的になる。それでも足りないので初回や
最終回はスペシャルで。まだ足りないから途中でも5分延長という変則放送
をする。

ファンにとっては5分でも長く観られるのは嬉しいことではありますが(笑)、
テレビ局の編成としてはいい迷惑でしょうね。後の放送番組のファンにも、
迷惑かけたのでは?

普通に考えたら2クールにすれば良いのでしょうが、現状のテレビ業界では
それも難しいのでしょう。出演俳優さんたちの拘束もスケジュール的に困難
なことだと予想できます。


撮影においても、この完結編ではあまり凝ったことはしていない印象です。
それどころか、本来なら固定してじっくり撮るであろうところを、手持ちカ
メラで撮り切ったな、とシロートながら推測出来る画が多かった。
アメリカのテレビドラマ「ER」や「24」等から広まったようですが、あえて
手持ちで手ブレ上等。そんな画作りがドラマに増えたように思います。上手
く使えば臨場感を増す効果はありますが、どことなく安っぽさが増す危険性
もある。そして、シロートの推測では制作時間の短縮も望めるのでしょう。

今回の「仁 完結編」では凝った絵作りは残念ながら見受けられなかったと
思います。そして、「イマジナリーライン」という映像制作においては原則
的には侵してはならない映像の文法・技術的法則を侵したりもしてました。
(この「イマジナリーライン」については、何とか時間を作って別記事にて
紹介したいと思っていますが…)
震災の影響も考えられますが、製作にかける時間も少なかったのかも。


なんか批判的なことを羅列してしまいましたが、私はこの「仁」というドラ
マが大好きです。そこは誤解して欲しくありません。

10話の記事でも書きましたが、私の「仁」に対して要求するハードルがかな
り高いものになっているんだと思います。
「仁」は第1期・第2期の両方とも、最近の民放ドラマにおいて非常に質の
高い、よく出来たドラマであることは間違いないでしょう。

楽しめた。面白かった。
だからこそ、苦言を…というとこもある訳で、その点ご容赦をね。

スタッフ・キャストの皆様方には、「お疲れさま、ありがとう」と言いたい
です。心を込めて、感謝。


しかし世界80カ国への配信、成功したのかな?日本近代史がある程度分かっ
てないとシンドイと思いますが・・・


あ、あの箇条書きのあらすじ紹介、あまり人気無いみたいなので今後は考え
た方がいいみたいですね。読みにくいかなあ。うーん。。。



【 JIN-仁- 第2期(完結編)第11話 キャスト 】

南方仁:大沢たかお…脳外科医。幕末の江戸にタイムスリップする。
橘咲:綾瀬はるか…恭太郎の妹。仁のもとで看護婦として医療を手伝う。
坂本龍馬:内野聖陽…土佐の脱藩浪人。仁の親友となる。

友永未来:中谷美紀(特別出演)…仁の婚約者。仁の手術で昏睡状態になる
野風:中谷美紀(二役・特別出演)…元・吉原の花魁。ルロンと結婚。
橘未来:中谷美紀…現代に戻った仁が橘家を訪れた際に出逢った女性。
橘恭太郎:小出恵介…仁に命を救われた侍。勝の元で働いている。
橘栄:麻生祐未…咲と恭太郎の母。武家の誇りを重んじる厳格な女性。
佐分利祐輔;桐谷健太…華岡流の麻酔術を学んだ若き医師。仁の片腕となる。
山田純庵:田口浩正…西洋医学所の医師。仁友堂にてペニシリン製造を担当。
福田玄孝:佐藤二朗…もと医学館の医師。胃を仁が手術した縁で仁友堂の一員に。
八木:斉木テツ…仁友堂の一員。
横松:中江大樹…仁友堂の一員。
勝海舟:小日向文世…龍馬・恭太郎の師。仁の医術に深く興味を抱く。
多紀元琰:相島一之…医学館の奥医師。仁の存在を危険視している。
松本良順:奥田達士…西洋医学所頭取助。亡き緒方洪庵の遺志を継ぎ、仁に協力。
新門辰五郎:中村敦夫…町火消。浅草十番組「を組」の頭。
西郷吉之助[隆盛]:藤本隆宏…薩摩藩士。禁門の変の後、仁の診察を受ける。
茜:橋本真実…安道名津を売っている茶屋の娘。大やけどを仁が治療した。
喜市:伊澤柾樹…母の怪我を仁が治して以来、仁と交流のある少年。
武士:津田寛治…龍馬の刺客として恭太郎の京行きに同行。彰義隊に恭太郎を誘う
野口元:山本耕史…病院の医師。仁の後輩
博美:原千晶…病院の看護師
杉田:戸次重幸…病院の医師

【スタッフ】
原作:村上もとか『JIN-仁-』(集英社「スーパージャンプ」)
プロデュース:石丸彰彦、中井芳彦
脚本:森下佳子
演出:平川雄一朗(第1,2,3,7,8,11話担当)
   山室大輔(第6,9,10話担当)
   那須田淳(第4,5話担当)
音楽:高見優、長岡成貴
主題歌:平井堅 「いとしき日々よ」
時代考証:山田順子
制作著作:TBS
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テーマ:JIN-仁- - ジャンル:テレビ・ラジオ

ドラマ JIN -仁-完結編 第10話

'11,6,19 放送  TBS系列

「Jin-仁- 完結編」 第10話「最終章前編~タイムスリップの結末…」 感想
まずは、あらすじを。

・東が龍馬の額を切り裂いた。倒れる龍馬。恭太郎ら刺客は去る。仁、絶叫
・東、貴方は兄の敵だと龍馬に告白。しかし龍馬、わしを守るためじゃろ?と呟く
・東、なおも龍馬に刃を向けるも、止めは刺さずに立ち去る。仁たちは救命手術へ
・佐分利、咲たちと龍馬を開頭し、治療する仁。手術中に龍馬の血が目に入る
・また頭痛が仁を襲う。佐分利にその後の手術を託す仁。手術は無事に成功した
・手術後。龍馬を兄の恭太郎が襲ったことに、気丈に振る舞うが動揺は隠せない咲
・江戸の仁友堂。閉鎖され、門塀には非難の落書きが。山田は捕縛され拷問に
・ニセのペニシリンが町に流れ、死人が出ていたのだ。潔白を主張する山田
・吉原で勝・多紀・良順が会合を。和宮騒動と同じニオイがする=謀略を疑う三人
・そこに鈴屋彦三郎、野風の件で仁先生に恨みを持つ医者がいる、と三人に報告
・龍馬の意識は戻らない。咲、野風の手紙を枕元で読む。自発呼吸を始めた龍馬
・未来の話を龍馬に語って聞かせる仁。すると、遂に龍馬が目を覚ました
・仁のいた未来を夢で見た龍馬。未来の世界のことなど、いろいろ語り合う二人
・弱々しいが軽口も叩いていた龍馬の容態急変。人工呼吸のマスクを拒否する龍馬
・「先生、わしゃ、先生の生まれてくる国を作れたかの?先生の様に、優しゅうて、
 馬鹿正直な人間が…笑うて生きていける国を」その問いにうなずく仁
・「ほうかえ…まっこと…」微笑み、目を閉じる龍馬。「心肺停止!」叫ぶ佐分利
・仁、必死に心臓マッサージを施す。「戻って来い!坂本龍馬!」 だがその時
・「もうヤメるぜよ、先生。ほれ、一緒にいくぜよ」龍馬の声が仁に聞こえた…
・「どこに行くんですか?龍馬さん…」答えはない。号泣する仁。子供の様に…
・外は雪。橋のたもとで東、自害。横浜では野風が赤子に雪の思い出を語っている
・野風の手のひらで、雪がひとひら、溶けた。。。坂本龍馬、死す・・・
・薩摩藩邸で、東の遺書には自分が本懐を遂げたかった、とあったと語る大久保
・東は龍馬の作ったものを守ったのかも、と返す西郷
・もし龍馬を幕府側が斬ったなら、大政奉還は徳川の本意じゃないということに
・そうなら龍馬の成し遂げたことは水の泡となる。しかし単なる仇討ちなれば…
・もはや龍馬を守れない、そう判断した東があえて斬ったのだ。そう推測する西郷
・東は、自分が龍馬を治すことを願っていたのか?思案する仁に咲が答える
・ならばあれほどの傷は残さない。坂本様の生き方の様なものを守りたかったでは
・恭太郎について心配では?と問う仁。咲、涙をこぼし兄のことを仁に詫びる
・自分が来たからこの人にこんな思いをさせてしまった。自己嫌悪に陥る仁
・仁たち、江戸に戻る。荒れ果てた仁友堂の門塀に驚く三人
・出迎える医者たち。そこにはすっかり白髪の増えた山田の姿も
・事の顛末を聞く仁。鈴屋の情報により、三隅に疑いを向けた勝たちは罠をかけた
・三隅は見事に罠にかかり、捕えられた。もう仁友堂は大丈夫と言われるが仁は…
・自分が様々な人の運命を狂わせている、と自己嫌悪の仁、仁友堂の閉鎖を告げる
・さらに私の頭にはガンがある、とも報告。皆は松本先生にお願いすると言うが…
・山田、病人を置いて出て行けと?と抵抗。緒方先生に顔向け出来ません!
・山田、壁に掲げた額に仁を強引に振り向けさせる。「国の為 道の為」
・佐分利「先生に出逢えたことを後悔したことなど、一瞬たりともございません!」
・咲「私どもに、持てる全てを教えて下さりませ。…国の為、道の為に」
・皆の熱い思いに打たれ、笑顔で「ハイ!」とうなずく仁。
・仁友堂も続け、医学所や医学館で講義を行う仁。しかし、頭痛は頻繁に出て…
・西郷率いる新政府軍が江戸の目前に。そんな中、勝が仁のもとにやって来る
・勝は、万が一の時には江戸に火を放つ手筈を整えていた
・仁に、江戸は火の海になるのか、と問う勝。それは勝先生次第なんじゃ?と仁
・勝と西郷の交渉。この争いは茶碗の中の争いと勝。龍馬も同じことを、と西郷
・「あんた勘違いしてるよ。おいらがあいつを真似してんじゃねえ。
  あいつがおいらの真似をしてんだよ。あいつとおいらは一緒なんだよ。
  あいつは終わっちゃいねぇんだよ、西郷さん」
・西郷は同意した。江戸無血開城が成功したのだ・・・
・仁、あの患者(第1期での脳に腫瘍を持った謎の男)はおそらく俺なんだ、と推測
・あんな腫瘍を放置すれば確実に死ぬ。その前に持てる全てを伝えよう
・仁友堂の医師たちに手術を指導する仁、その時、龍馬の声が。振り返ると…
・そこにはあのホルマリン漬けのヒト型腫瘍が。仁、激しい頭痛に悶絶、卒倒する
・仁は床に伏せる。見舞いに来た野風に、咲は龍馬の形見と言ってかんざしを渡す
・雪の結晶をかたどったかんざし。龍馬の命日はちょうど初雪の日だった…
・かんざしを髪に挿しながら「坂本様、お久しぶりでありんす…」呟く野風
・咲、野風に「先生を救う方法はひとつ、されど人の力ではどうにもならぬこと」
・恭太郎、龍馬暗殺の同行者から「最後まで徳川のために」と誘われている…




うーん、どうもあらすじが長ったらしくなるなあ(笑)。
箇条書きだからまだコンパクトな方だと思いますが、この箇条書きスタイル、
いかがなもんでしょう?読まれた方の感想聞いてみたいですが・・・
分かりにくいかなあ・・・


さて、この10話と来週の11話で最終章、というカタチを取った訳ですが、
最終章前編、皆様はいかがでしたか?
私的には、うーん、面白かったんですけどねえ、何か、何かねえ・・・

どこか、素直に「いい!」「良かった!」と言えない感じなんです。
なんなんだろ、このモヤッとした感じ。。。

一つは、70分に拡大しているとはいえ、あまりにエピソードが詰め込みすぎ
なところだと思います。もっとじっくり描けるエピソードをざっくり大雑把
に、ダイジェストを見せられてるような印象を受けます。
なんか勿体ない気分。

あと、東が龍馬を斬った理由について西郷と大久保、そしてスーパーアドバ
イザー咲の解説が入るところ。

後から会話で説明、というのはヤメて欲しかったなあ。悪くはないけど安易
だと思います。やっぱりそこは東の行動、演技で見せて欲しい。

前回の記事で、東の斬った行為について触れましたが、やはりあえて龍馬を
斬った東、目をつぶったことにも意味がありましたね。
西郷は東の思いを察しましたが、私は察することが出来ませんでした(笑)。
武人は武人を知る、というところでしょうか。
でも、もう少しあの辺りの演出を工夫すれば、東の行動から察する視聴者も
増えたのでは?そうしたら西郷の会話も解説の様に感じる事もなかったかも。
「あれで充分に判るやろ、あんたの洞察力が足らん」と言われれば、それま
でなんですが。


この「Jin-仁-」は面白い、よく出来てる、ということで観ているコッチも
ハードルが上げてしまっているのだと思います。他のドラマならこれで充分
満足して高評価なんでしょうけど、「Jin-仁-」なんだから、って(笑)。


しかしながら、今回の秀逸。
勝センセの西郷との対談シーンでのセリフ。
しびれましたね。思わず上記のあらすじでもしっかり全文掲載した(笑)。
日本人同士が争っていてはいけない、外国に攻め込まれたら一巻の終わり。
それを表現するのに茶碗を用いる勝。同じ事を龍馬から聞いた、と西郷。

「あんた勘違いしてるよ。おいらがあいつを真似してんじゃねえ。

 あいつがおいらの真似をしてんだよ。

 あいつとおいらは一緒なんだよ。
 
 あいつは終わっちゃいねぇんだよ!

 西郷さん!」


久しぶりに、一行のセリフでゾクゾク来ました。
「あいつは終わっちゃいねぇんだよ!」でホント、背中がゾワッとした(笑)。
もうこの一行で、今回はOK!と言いたいとこなんだけど・・・


そんな勝センセの名セリフに対して、今回の仁センセの名セリフは
「オレ地理だったんだよなぁー」
ですかね。思わず笑ってしまいました。
懸命に大政奉還後の歴史を思い出そうとする仁センセに対し、咲は
「あの…頭痛を起こしたいのでございますか?」とツッコんでました(笑)。


今回は龍馬が助かるのかどうか?が大きな注目点でしたが、結果は残念なが
ら歴史の修正力には勝てなかったようで、手術は成功するも龍馬の死に終わ
りました。少々、術後の龍馬がしゃべり過ぎ、の感はありますが、内野龍馬
が最後の熱演でした。

しかし、龍馬の死後も仁には彼の声が聞こえるようです。何故?
龍馬が斬られた時、そして手術中にも、仁は龍馬の血を顔に浴び、血が目に
入った描写がありましたがそれが関係しているのでしょうか?

他にも回収していない謎や伏線はいくつか残っています。
はたして最終回、スッキリさせてくれるでしょうか?
第1期の最終回のように、「え?」というラストは勘弁して欲しいのですが。

若干の不安を抱きながら、来週が待ちどおしいです。





【 JIN-仁- 第2期(完結編)第10話 キャスト 】

南方仁:大沢たかお…脳外科医。幕末の江戸にタイムスリップする。
橘咲:綾瀬はるか…恭太郎の妹。仁のもとで看護婦として医療を手伝う。
坂本龍馬:内野聖陽…土佐の脱藩浪人。仁の親友となる。

友永未来:中谷美紀(特別出演)…仁の婚約者。仁の手術で昏睡状態になる
野風:中谷美紀(二役・特別出演)…元・吉原の花魁。ルロンと結婚。
橘恭太郎:小出恵介…仁に命を救われた侍。勝の元で働いている。
佐分利祐輔;桐谷健太…華岡流の麻酔術を学んだ若き医師。仁の片腕となる。
山田純庵:田口浩正…西洋医学所の医師。仁友堂にてペニシリン製造を担当。
福田玄孝:佐藤二朗…もと医学館の医師。胃を仁が手術した縁で仁友堂の一員に。
八木:斉木テツ…仁友堂の一員。
横松:中江大樹…仁友堂の一員。
勝海舟:小日向文世…龍馬・恭太郎の師。仁の医術に深く興味を抱く。
多紀元琰:相島一之…医学館の奥医師。仁の存在を危険視している。
松本良順:奥田達士…西洋医学所頭取助。亡き緒方洪庵の遺志を継ぎ、仁に協力。
三隅俊斉:深水三章…野風が身請けされる予定だった某家門の藩医。今は奥医師。
東修介:佐藤隆太…長州藩士。龍馬・仁に命を助けられ、以後、龍馬の護衛役に。
西郷吉之助[隆盛]:藤本隆宏…薩摩藩士。禁門の変の後、仁の診察を受ける。
大久保一蔵[利通]:眞島秀和…西郷らと倒幕運動を推進、新政府の基礎を固めた。
鈴屋彦三郎:六平直政…かつて野風がいた吉原の大見世・鈴屋の廓主。
茜:橋本真実…安道名津を売っている茶屋の娘。大やけどを仁が治療した。
喜市:伊澤柾樹…母の怪我を仁が治して以来、仁と交流のある少年。
武士:津田寛治…恭太郎に同行して龍馬を狙う幕府側の刺客
武士:趙民和…恭太郎に同行して龍馬を狙う幕府側の刺客
お登勢:室井滋…寺田屋の女将


【スタッフ】
原作:村上もとか『JIN-仁-』(集英社「スーパージャンプ」)
プロデュース:石丸彰彦、中井芳彦
脚本:森下佳子
演出:山室大輔(第6,9,10話担当)
   平川雄一朗(第1,2,3,7,8話担当)
   那須田淳(第4,5話担当)
音楽:高見優、長岡成貴
主題歌:平井堅 「いとしき日々よ」
時代考証:山田順子
制作著作:TBS
==============================

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はやぶさ映画松竹版の主演は藤原竜也

==映画.com ====
 俳優の藤原竜也が、松竹が製作する3D映画「おかえり、はやぶさ」に主演
することが決定した。はやぶさの奇跡的な帰還のカギを握る、イオンエンジ
ン担当の新米エンジニアを演じる藤原は「たくさんの奇跡を起こして生還し、
日本国中に感動を呼んだ『はやぶさ』。このテーマを題材にした映画に参加
できて大変うれしく思います」と意欲を燃やしている。また、杏と三浦友和
の出演も発表された。

(中略)
映画は、藤原演じるJAXA(宇宙航空研究開発機構)の新米エンジニア・大橋
健人と、「はやぶさ」以前の「のぞみ」プロジェクトリーダーだった父・大
橋伊佐夫(三浦)、伊佐夫の講演に感銘し宇宙を志した新米理学博士・野村
奈緒子(杏)の関係を軸に描かれる。

健人は、火星探査機「のぞみ」プロジェクトの失敗から立ち直れない父・伊
佐夫と疎遠になりながらも、人類初の「小惑星サンプルリターン」プロジェ
クトに携わっていた。しかし、小惑星「イトカワ」に着陸した直後、はやぶ
さの姿は宇宙のヤミに消えてしまう。JAXAの全面協力を得て、家族という視
点を軸に、宇宙空間を孤独に航行したはやぶさの7年にわたる軌跡を初めて
3D映像で迫る。
(後略)
==================================
藤原竜也、松竹版3D「はやぶさ」に主演 杏&三浦友和も参戦:映画.com
http://eiga.com/news/20110615/2/


==同ニュース関連その他記事==

藤原竜也“3D参戦”「はやぶさ」3作品が対決!:スポニチAnnex
http://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2011/06/15/kiji/K20110615001020420.html

全編3D映像で贈る『おかえり、はやぶさ』の主演に藤原竜也、共演に杏、
三浦友和が決定!
:MovieWalker
http://news.walkerplus.com/2011/0618/3/




「ネタ』として被さりすぎた感のある「はやぶさ」映画。松竹版がなかなか
概要が発表されないので製作中止か?等と思っていましたが、ついに具体的
にキャスト発表がなされました。

今回の報道から見て、松竹版はドキュメンタリー性は薄く、創作された親子
ドラマと3Dで勝負する模様です・・・

これで、各社はやぶさ映画の概要が出そろいました。


◎20世紀フォックス版
 『はやぶさ/HAYABUSA』
 ・監督:堤幸彦
 ・出演:竹内結子、西田敏行、高嶋政宏、佐野史郎、
     山本耕史、鶴見辰吾、筧利夫、市川実和子、他
 ・主人公は、広報兼はやぶさ運用スタッフの”水沢恵”
 ・「はやぶさプロジェクトを追体験できる映画。出来る限り、完コピした」
  (監督談)
 ・4/13クランクイン、5/25クランクアップ
 ・2011年10月1日 全国公開予定
 ・公式サイトhttp://movies.foxjapan.com/hayabusa/index.html
  (特報映像公開中)
 

◎東映版
 『小惑星探査機 はやぶさ-遥かなる帰還-』(仮題)
 ・監督:瀧本智行
 ・脚本:西岡琢也
 ・原作:山根一眞「小惑星探査機 はやぶさの大冒険」
 ・出演:渡辺謙、他
 ・主人公は、はやぶさプロジェクトでプロジェクト・マネージャーを務めた
  川口淳一郎教授がモデルの”山口駿一郎”
 ・「はやぶさ」のプロジェクトチームと家族を描く
 ・製作費15億円
 ・5/20クランクイン
 ・2012年公開予定
 ・公式サイトhttp://www.hayabusa2012.jp/index.html
 

◎松竹版
 『おかえり、はやぶさ』
 ・監督:本木克英
 ・脚本:金子ありさ
 ・音楽:冨田勲
 ・出演:藤原竜也、杏、三浦友和、他
 ・主人公は、はやぶさのイオンエンジン担当の新米エンジニア”大橋健人” 
 ・テーマは「家族の絆」
 ・3D
 ・6/16クランクイン、8月上旬クランクアップ予定
 ・震災から1年目となる2012年3月、公開予定
 ・公式サイトhttp://hayabusa3d.jp/
 

◎角川版
 『はやぶさ HAYABUSA –BACK TO THE EARTH - 帰還』
 ・監督:上坂浩光
 ・2011/5/14 ロードショー
 ・プラネタリウムや科学館で上映された全天周映画の劇場公開版
 ・CG映像に篠田三郎のナレーション
 ・オリジナルに、はやぶさ帰還後を加えた「帰還バージョンDC版」と
  呼ばれるものと同一、46分
  (オリジナルは2009年、帰還前に公開。略称HBTTE)
 ・公式サイト
  http://www.kadokawa-pictures.co.jp/official/hayabusa_movie/




これだけ重なると、正直、不安の方が大きいんですが(笑)。
はてさて、どうなるでしょうか。


【当サイト内の関連過去記事】
はやぶさ、帰還1周年
はやぶさ映画20世紀Fox版 製作記者会見
はやぶさ映画東映版、主演は渡辺謙
はやぶさ映画20世紀フォックス版、公表されました
はやぶさ映画がイッパイあるようで・・・
探査機はやぶさ、映画化決定!






テーマ:映画情報 - ジャンル:映画

佐野元春のザ・ソングライターズ サードシーズン Vol.7・Vol.8

'11/6/4,11 放映 NHK教育

佐野元春のザ・ソングライターズ  ゲストトータス松本(Vol.7・Vol.8)

「ホピュラー音楽のソングライターこそ、現代の詩人」
「ポップソングは時代の表現であり、時代を超えたポエトリー」

そんな佐野元春の言葉で始まる「ザ・ソングライターズ」。
3rdシーズン四人目のゲストはトータス松本。
ウルフルズといえば、元気の出る歌、ヘコタレヘんでぇ!と前向きになれる歌を
歌っているバンド、というイメージが強くあります。
「ええねん」を落ち込んでる時に聞いて号泣したこともありましたねえ…(懐笑)。

では、抜粋の書き起こし。




リーディングは「暴れだす」。


トータスは曲を書く時に、これはよく聞かれる質問だと思うんだけれども、曲が先
ですか、それとも詩が先に出来るんですか?

 「だいたい同時で…出てくるんですね」
それはフックのところ?それともバースのところ?それとも全体がいっぺんに出て
くるような…

 「えっとね、多いのは、フックのところがまず出てくるというパターンが多いで
 すね。それとかバースの一行目とか。そのことが最初は自分でも意味がよく分か
 らない、という状態でポーン、と浮かぶとか。『暴れだす』にしても一行目だけ
 最初にパーンと出て来て、メロディもコードも何となく付いてるんですね。
あー(感心)。ということは、楽器を持って作るんですか、それとも何も楽器を持
たずして…

 「ギリギリまで持たないです。最後の最後まで楽器は触らないでいます」
 

『トコトンで行こう』という曲について。
この曲も僕好きなんですけど、自分の世代はクレージーキャッツを思い出したんで
す。いわゆる植木等のスーダラ節のような言葉の運び方、ですよね。クレージーキ
ャッツよく聞いたんですか?

 「クレージーキャッツはメジャーデビューしてからは凄く良く聞いてます。大好
 きで、ロックバンドの形態をやってるウルフルズですけど、もしかしたらメジャ
 ーデビューして僕らが認知されるまでの間に、一番影響受けたアーティストかも
 知れない」
そうですか。それは詩の部分とか、彼らの何ていうか…アティチュードというか、
ユーモアのセンスだとか、何かそういうことですか?

 「とにかくあの、明るさですよね。ええ。明るさと…前向きさと言うか。あれは
 もの凄い元気が出るっていうかねぇ。なんか変な、根拠は無いんですけど、もし
 かしたらコッチは僕はいけるかもわからへん、とちょっと思たんです。一番ね、
 『トコトンで行こう』を書いた時に参考にしたのは、『…金のない奴は俺んとこ
 へ来い 俺も無いけど心配するな 見ろよ 青い空白い雲 そのうちなんとかな
 るだろう…』って。何も言ってないんですけれど、なんか元気が出るっていうか。
 そういうことを硬派な音楽に乗っけて、ガーッと歌うと、これは新しいことが生
 まれるかもって」
 
  
『ランデブーチョ』という曲について。世の中がダイエットブームで、スタッフに
もダイエットしている子がいて、そんなにダイエットが大事か、と歌いたかったと
トータス松本。
単なるギャグやお笑いではなく、風刺を効かせる。ということですよね。こういう
コミックソングを作る時に、何か気を遣っていることってありますか?

 「ひとつは、おかしな歌詞が乗っかること前提で、インストゥルメンタルはちゃ
 んとカッコ良く作る、っていうか。インストゥルメンタルだけで聞いたら、どん
 な歌詞が乗っかってくるのかな、っていうのが分からないぐらいカッコいいもの
 を作って、そこにハチャメチャなものを乗っけて…で、もうひとつは、聞いた人
 が暗い気持ちにならないものを、っていうか…何か説教臭いものにならないよう
 には、やってます」
なるほど。どうもありがとう。
 

『ガッツだぜ!!』について。
 「もう時効だからいいと思うんですけど。『ガッツだぜ』は元々は「KC&ザ・サ
 ンシャイン・バンド」っていう70年代のディスコ・バンドがあって、それがまあ、
 みんな聞いたことあると思うんですけど『That's the way』という曲がありまし
 て、これをたまたま、夜中煮詰まって一人で聞いてると、なんか『ガッツだぜ』
 になってたんですよね(笑)」
That's the way とガッツだぜ。韻を踏んでますね(笑)
 「まあ面白いかもしれへんな、って思ってカセットに録ってディレクターとかに
 聞かせたら、皆ノリノリで、これは面白い!って言ったんです。これは早く一曲
 の歌にしろ!って言われて。わりと安易ですけどじゃあディスコでいいんじゃな
 いかと」
 「勝負曲って言われてたんですよ。ウルフルズが世の中にちょっとずつ認知され
 始めていた時に、次の曲は勝負曲だから頑張って書け、と言われてたのに、まあ
 『ガッツだぜ!』なんですよ(笑)。だから僕は本当にね、スタッフの皆さん大丈夫
 ですかと。僕はこれで勝負をかけていいんでしょうか、っていう風な気分でした」
みごとに成功でしたね。
 「見事に成功(笑)。ウハハ」


定型質問。
好きな言葉
 「おいしい」
嫌いな言葉
 「しんどい」
うんざりすること
 「猫を飼っているんですけど、猫が粗相をした時が一番ウンザリしますね」
一番嬉しいことは?
 「やっぱり、褒められることですね」
好きな映画について。一時期、黒澤明の映画にハマったそうですけど、黒澤作品で
一番好きな映画はなんですか?

 「これは難しいなぁ。どれか一つあげろって言われたら…「椿三十郎」ですかね」
これはストーリーが好きなんですか、それとも展開していく役者の演技が好きなん
ですか?

 「やっぱり三船敏郎さんの、あの熱のこもった演技というか、あれは最高なんで
 すけどねー」
インスパイアされてるそうですけど、それは後で伺います。
絶対にやりたくない職業は?

 「プロボクサーですね。逆にすごい尊敬してるんです。自分には絶対出来ないと
 思いますね」
人から言われてカチンと来る言葉
 「お疲れのところ申し訳有りません、って言われるのイヤですね。疲れてるか、
 疲れてないか分からへんやろ!みたいなね(笑)」
女性から言われて嬉しい言葉
 「…は、やっぱりねー、…あっ、愛してますって言われるのがスキ。ワハハ(笑)」
それは嬉しいでしょうね。死ぬ前に愛する人に残す伝言
 「それは普通に今までありがとう、なんでしょうけど…先に死んでご免ね、って
 言うかも知れないですね」
それは深いですね。分かりました、どうもありがとう。


好きな映画で黒澤明の『椿三十郎』を挙げたが、『サムライソウル』という曲では
三船敏郎を歌った、と言う。スランプの時に黒澤映画を何本か観て凄い熱い気持ち
になった。曲作るぞ!ではなく、よっしゃ役者になろう!と。その気持ちがなんと
か収まった頃に『サムライソウル』の言葉と曲が浮かんで来たそうだ。
この曲の詩は、最初の数行を頭の文字だけ見ると、「みふねおしろう」になってい
るとのこと。

 見たまんまの いかにもテキトーな
 ふざけた男と思ってたんやろ 
 熱しやすく 落ち込みやすい
 おれを見つめておまえは笑う
 心配すんな
 ロマンチックな男やからね
 後ろに引きずるものはあれど
 想いは常に前にあるぜ
 ・・・・(後略)


 「作詩みたいなものに行き詰まったりする時に、頭抱えてアー、何だこれーと、
 なんと俺は才能ないんだ、と落ち込んだりする、しそうになる時あるんですけど、
 でもやっぱり切り替えて、単なる詩じゃないかこんなもん、って。何だってええ
 ねん、言葉が乗っかってたらなんだって歌になるんや、ぐらいにパーン、と開き
 直った時にはいっつも、アイウエオ作文にしてみたりとか、なにかするんです。
遊びをそこに入れる?
 「ええ。例えば佐野さんからインスパイアされたら、「サノモトハル」って書く
 かも知れない。そっから何か、自分の想像もしなかった言葉が並びだすんですね。
 それはじゃあ、まったく言いたかったことじゃないのか、って言うと、そんなこ
 と無い。ちゃんと頭は言いたいことは探してるんですね。だから思いがけない、
 新鮮な自分に出会うことがある」
面白いですね。クリエイターとして、スランプの打開法の一つとしていいですね。
遊ぶってことですね。

 「そうです」
 
『ええねん』という曲について。黒人霊歌のAmen(エイメン)を車の中で歌ってい
た時に、いつのまにかエイメンがええねん、になっていた、とのこと。


トータス松本の詩には動詞を曲のフックに使っていることが多い、との佐野の指摘
に、トータス松本は今言われて初めて気が付いた、と言う。トータスさんの歌詞は
ストレートで分かり易くて、とよく言われるが、分かり易く書こうと意識したこと
は無い。動詞は分かり易いからなんだと今、分かった。と語る。


ワークショップ。
いま、心の底から叫びたい言葉を学生にワンフレーズで書いてもらう。
そこからシャウトして音楽化できそうなものをセレクトする。

「分かりたい、分かられたい」
「わかんナーイ、ho!」
「ギブミー いい男」
「足りてんの? Satisfaction」

などなどと、シャウトしてみる。
単なる思いつきの言葉ではなく、心の底から叫びたい言葉だからこそ、メロディー
が付きやすい。付いた時にエネルギーが生まれる。
文字で書いてあるだけじゃなくて、そこにトータスの声とかリズムとかメロディー
が付くことによって、なにか皆の共感を呼ぶと言うか、そこにあるだけじゃなくて
そこに立ち上がって肉体化して、そして多くの人たちに共感の伝達として伝わって
いく感じ。これってソウルだよね。

 「ソウルです。これソウルですよ、ほんと。これがソウルの原点みたいな感じ、
 しますよね」
 
 

学生からの質問中でのトータス松本の発言

 「「モノを作るということは、自分を知るということ」と、ネタ帳の1ページ目
 にいつも書いている」

シンガーソングライターとしてメジャーデビューが目標、という学生に
 「メジャーデビューを目指してしまうと、デビュー出来たときにわかんなくなる。
 ホントはそこから始まるのに。今やってることはウォーミングアップ、みたいに
 考えとかないとね。メジャーデビュー出来たら「よっしゃあ、走るぞぉ!」って
 ならなアカンのに、自分の中ではデビューまでが全速力で走った気分になって、
 メジャーデビューで(ゴールの)テープ切って、「あー、やったぁー!」みたいに
 なったんですね。「そっからがホンマのスタートやろ!」って気付いたのは2、
 3ヶ月後になって。…だからメジャーデビューみたいなことは、あんまり価値が
 無い、ぐらいに思っといた方がいいかも。それよりも大事なことは、自分が歌を
 作って歌いたい気持ちの方なんで」
 

ソロのライブで「ガッツだぜ!!」を歌った理由に付いて
 「ソロでやるのに後ろめたさが無いと言えば嘘になる、って言うか。ウルフルズ
 の楽曲をどう扱ったらええか、考えようとして悩もうとしたけど、一旦ちょっと
 逃げて置いといたところがあって。大きな課題やけど、ちょっとどかしといたの。
  …自分が一所懸命作って来て、人に認められた思い出の曲、大事な大事な自分
 の分身みたいなものを、そのまま放ったらかすって、そんなにかわいそうなこと
 は無いってどうしても思うんですよね。好きなんですよやっぱり。
 だから歌いたい、って思うんやけど、歌った場合ウルフルズのコアファンからは
 「ヤァー(非難)」って言われるやろう。って言うのはあるけど、そこを気にして
 たら何も出来ない。それよりも、その人たちも大事やけどその向こうにいる、こ
 れからトータス松本の曲を好きになってくれる人たちに、もっともっと、俺の音
 楽はこうだぁー!ってやっていかへんかったら、歌う意味が無いと思ったんです
 よ。ウン。
 後ね、歌って歌わへんかったら、ドンドン懐かしのメロディーになっていくんで
 すよ。歌っていくから、その歌が生きて存在し続ける。もし五年寝かせれば、五
 年後に歌うと「懐かしい歌ー」になるんです、たぶん。それはイヤやった。生か
 し続けたかった。好きやから」
 





次回5人目のゲストはキリンジ。そして最後6人目は七尾旅人です。


「佐野元春のザ・ソングライターズ 3rdシーズン」
NHK教育 毎週土曜 夜11:00-11:30 (再放送は翌週の土曜 昼11:00-11:30)



← 3rdシーズン Vol.5・Vol.6 ゲスト:曽我部恵一 へ
  3rdシーズン Vol.9・Vol.10 ゲスト:キリンジ へ →




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